好きすぎるから 23 ページ31
結局20分くらいで
最低限の仕事を終えて涼さんに連絡する。
連絡すると開口一番
『連絡くれないかと思った』
ホッとした声の涼さん。
「しなくていいならしなかったですけど」
まだ仕事終わってないし。
『ホテルの外には出ないけど上着持ってフロント来れる?』
「はい?」
『ロビーで待ち合わせね』
とだけ言うと電話が切れちゃう。
何だろう?
ロビーに向かう時にエレベーターで階層に書いてある文字を確認すると
『展望』って文字が書いてあるところがある。
ここ?
言われた通りにロビーに行くと涼さんが待ってる。
「お待たせしました」
「全然。早かったね」
「まだ途中ですから」
「あ、ゴメン」
「大丈夫です、後は急がないので」
そう答えるとクスクス笑う涼さんは
「相変わらず遠慮がないねー。じゃあ余計手短にした方がいいね」
エレベーターに向かうから私も続いた。
エレベーターに乗るとやっぱり『展望』と書かれたフロアに着く。
ガラス戸で仕切られた外が庭園みたいになっていて
涼さんが上着を羽織るから私もコートを着る。
「こっち」
ガラス戸を開ける涼さんに続くと
少し歩いた先が外を見渡せるようになっていて
台北の街を見下ろすように夜景が広がっていた。
海外での夜景なんて想像つかないし
見た事がない景色にものすごく感動する。
「わぁ……っ」
つい声が漏れる。
「綺麗だね」
「はいっ」
声も弾む。
そんな私に涼さんが笑う。
「最後に一番見たい顔が見れたよ」
涼さんは言うと私を抱き締めた。
「離れて下さい」
離れようとするけど
涼さんは私の腰に手を回して離さないし
「少しだけこのまま聞いて」
涼さんが呟く。
本気を出せば離れられたけどケガをさせそうだし
仕方ないから抵抗をやめた。
「俺、本当にAが好き」
「…」
今そんな事言われても困るから黙っていた。
「今日薬飲むの遅かったのも本当はわざとだった。Aが心配してくれないかな、って思って」
「は?」
炭谷さんは一体何を言ってるんだろう?
「すごく迷惑な話ですね」
「だよね、ゴメン」
「プロ失格です」
「でも知りたかったんだ。Aが心配してくれるか」
涼さんはさらに私を抱き締めるけど
私は絶対抱き返さなかった。
「俺ね、香港に異動なんだ。玉森さんの宣伝終わったら」
「そうですか」
「ついてきてくれないかな」
涼さんは淡々と返す私に小さく言った。
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shizu(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます!最近なかなか忙しくて更新遅くてごめんなさい。また読みに来て下さい。 (2020年2月14日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 更新ありがとうございます。待ちわびてました。お忙しいでしょうが、また続きお願いいたしますm(__)m テンション マックスです (2020年2月11日 7時) (レス) id: c093b1f16a (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ひろぴーさん» コメントありがとうございます!北山さん推しなので美化しちゃいます 笑 たまに更新頻度落ちますがまた是非読みに来て下さい! (2019年11月20日 6時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ひろぴー(プロフ) - 朝更新されてて、12になっててめちゃくちゃテンション上がり、今日一日楽しく働けました笑。中々素直に言えなくて我慢しちゃう主人公ちゃん、めちゃくちゃ気持ちが分かって一緒に苦しくなってます…だけど北山さんが、素敵な男性すぎてキュンキュン止まりません! (2019年11月18日 20時) (レス) id: 9608494618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2019年11月18日 4時