サイボーグな彼女 12

好きすぎるから 15 ページ15

2月に入り
映画のプロモーションが始まる。

神社に祈願に行く時には
着物を着付けてもらっていた。



「どう？」

北山さんは上機嫌でちょこちょこと動いて1周回って見せてくれる。



正直ものすごく似合っていた。

髪の分け目もいつもと違う形でセットされてて格好いいから少しドキドキする。



「ものすごく素敵です。会報用に写真も撮りますか？」

「んふふふ、撮って撮ってー」



数枚撮ってると共演の女優さんが同じく着物でいらっしゃる。



「失礼します」



凛とした声も含めてものすごく綺麗だった。
思わず見蕩れるくらい。



「すっっごい素敵です！」

「ありがとうございます」



声を掛けるとお辞儀して下さる仕草も綺麗。
さすが女優さん。



「…リアクション違いすぎねーか？」

ポン、と北山さんから背中を叩かれる。



「ごめんなさい、やっぱり綺麗過ぎて」

「ふざけんな。お前どっちの味方だよ」

「美しさに味方も敵もないです」

「…ったく」



私たちのやり取りに女優さんが笑う。



「相変わらずですね」

「ホント、コイツ容赦ないんですよ」

「でもそれでこそAさんです」

「やめて下さいよー、このままだとコイツこの現場で人気過ぎて調子乗るんで」



なんて宏光は私を小突く。



「やっぱりストーカー捕まえたのがカッコよすぎて。うちのスタイリストも今日も久しぶりに会えるって喜んでましたよ」

「マジで去年のバレンタイン、俺より貰ってますから」

「あははは、さすが！」



宏光と女優さんが盛り上がってると
涼さんがやってくる。



「おぉー！2人とも素敵ですね」

「「ありがとうございます」」



涼さんがニコニコしてる。



「やっぱり御二方とも着物似合いますねー、さすがです」

「炭谷さんも背が高いから似合いそうですけど」

「あーまぁよく言われてました。ね」



女優さんに言われて私に同意を求める涼さん。



「確かに卒業式で着てた袴は似合ってましたね」

「でしょー？でもAちゃんの成人式の着物も似合ってたよ」



そうだった。
涼さんはわざわざ福島まで私の着物見に来たな。



「え、2人お付き合いしてるんですか？」

女優さんが驚いてる。



「いえ、大学とゼミが一緒だったんです」

「へぇー」



女優さんに食い気味に答える私に涼さんと何故か宏光まで笑ってて。



「Aの着物も似合いそーだな」

なんて周りに皆いるのに少しオフの顔で宏光が言うからニヤけちゃうのを必死で我慢する。

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