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妹。F 8 ページ50

「たい兄ちゃんごめんね」

Aが泣きながら言う。

「Aがいっぱい泣くから、たい兄ちゃん泣けなかったよね」



違うよ、Aのせいじゃないよ。



言う前に

「ちげーよ、俺が太輔の性格分かってたのに我慢させすぎたの」

鼻をすすりながらみつ兄ちゃんが言う。



違うよ、みつ兄ちゃんのせいじゃないよ。



そう言う前に

「そうじゃないの!母さんが太輔の気持ち考えてなかったの!ごめんね、太輔」

母さんまで言い出す。



違うよ、母さんのせいでもないよ。



もう、何なの?

何なの皆して。
自分が悪いって言い出して。



拗ねてた自分がバカみたいじゃん。



みつ兄ちゃんとAの腕の中。

ものすごく温かくて。



今まで我慢してたのが一気に込み上げる。



「……」



涙が溢れてきて
ギュッ、てみつ兄ちゃんにしがみつくと
みつ兄ちゃんが気づいて頭をポンポンしてくれる。



「…ごめんな、太輔」



優しい声で言われて
いよいよ涙が止まらない。



鼻をすすっちゃったら
Aも俺が泣いてるのに気づいて

「たい兄ちゃん、ごめんなさい」

Aがさらにしがみつく。



「ずるい!母さんも入れてっ」



母さんまでくっついてきて泣き出す。



なんなの?
このくすぐったくなるような
恥ずかしくなるような
家族ドラマみたいな展開。



いいよもう、こーいう家族ごっことか。



そう言いたいけど。



3人の体温が温かくて。



『ここに居ていいんだよ』って気持ちが伝わる。



「心配かけてごめんなさい」

みつ兄ちゃんの服をギュッて握ると

「もーいいよ」

その手にみつ兄ちゃんが手を重ねてくれた。





その日の夜。



「もう居なくならないから」

「だめ!心配!!」

部屋で言い合う俺とA。



騒ぎを聞きつけて

「どーした?」

みつ兄ちゃんが来てくれる。



「Aが『俺が出てくかもしれないから心配』だから一緒に寝るってうるさいの」

「は?」

俺の言葉にみつ兄ちゃんが呆れてる。



「だって心配だもん!!」

Aは言うけど。



寝れるわけないでしょーが。



でも

「じゃあ3人で寝る?」

みつ兄ちゃんが悪ノリしてくる。



「は!?」「うんっ!!」



びっくりする俺と嬉しそうなA。



昔みたいにくっついて寝ると

「たまにはこんなのもいいなー」

みつ兄ちゃんは呑気に言うけど。



違う意味で寝れないよ!



でも俺にくっついて寝るAの温かさと柔らかさは
ものすごく心地良かった。

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shizu(プロフ) - りぃ☆彡さん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。やっと繋がりました。短編のつもりだったんですけどね…楽しみにしててくれて嬉しいです! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はとさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。ようやくエンディングに向かいます! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りぃ☆彡(プロフ) - はじめまして。いよいよ主人公サイドと繋がりましたね!続きを楽しみにしています! (2020年2月20日 22時) (レス) id: de1f37d540 (このIDを非表示/違反報告)
はと(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみにしています。玉ちゃんがこの後、どんな行動にでるのか楽しみです。 (2020年1月26日 0時) (レス) id: bf18adaee4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年11月24日 7時

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