秘めた想い T -side T- 48 ページ40
「A」
顔を上げてほしいから声を掛けると
ぎゅうーってしがみつくみたいに抱きついてくるA。
顔見たいんだけどなー。
キスもしたいんだけどなー。
「ちゅーしたいから顔あげて?」
Aに聞いてみるけど
「……無理っ」
ズズッて鼻をすするAはまだ泣いてるみたい。
理由は全部俺にあるから
Aが泣き止むまで待つことにしてみた。
ポンポン背中を叩いてると
だいぶ経ってから顔を上げてくれるA。
涙でぐちゃぐちゃの顔で俺を見てる。
「ふふっ、いっぱい泣いたねー」
「…玉森くんのせいだよっ」
「あははは、そうだねゴメンね」
結局また涙を零すAの涙を指で拭う。
「…宮田くんのことはもう好きじゃないの?」
Aが聞いてくる。
そうだね、Aは俺が宮田のこと好きだって思ってるんだもんね。
「好きだよ。でもAのことを好きな『好き』とは違うかな」
「………そうなんだ」
「Aのことは誰にも渡したくない『好き』なの。宮田が誰を好きでも応援できるけどAは俺の事を好きじゃないとヤダ」
Aが好きってちゃんと言う。
そしたらまた泣くAの涙をもう1回指で拭う。
その指をほっぺに添えたまま
うるうるして可愛いAの目をじーっと見る。
キスしたいな。
Aを見てたら
目を閉じてくれたからそっと唇を重ねた。
ほら、結局Aは俺の事わかってる。
唇を離してAを見ると少し物足りない顔をしてるから
もう1回キスをしてキスしながら舌でツンツン、ってAの唇をつっつくと
Aが口を少し開けたから
舌を入れるとAも舌を絡めてくる。
やっぱり正解だったんだ。
俺もAを分かってるじゃん。
声を堪えるためなのか
俺の背中にAの腕がまわってギュッて俺にしがみつく。
ただキスしただけなのに
なんだかAと1つになったみたいな感覚。
ものすごく長くキスをしてた。
「…はぁっ…長いよっ」
唇が離れた時にAからクレーム。
「仕方ないよ、めっちゃ嬉しくてたまんないんだもん」
「何それっ…っ…」
Aが何かを言いかけたけどまたキスをする俺。
あーもうたまんない。
初めてのAんちでこんなにキスするとか。
このまま最後まで、とか考えちゃう。
今日帰れるかな。
「…玉森くん…待って…」
キスの合間にAが言うけど
正直止めるつもりは全く無かった。
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shizu(プロフ) - りぃ☆彡さん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。やっと繋がりました。短編のつもりだったんですけどね…楽しみにしててくれて嬉しいです! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はとさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。ようやくエンディングに向かいます! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りぃ☆彡(プロフ) - はじめまして。いよいよ主人公サイドと繋がりましたね!続きを楽しみにしています! (2020年2月20日 22時) (レス) id: de1f37d540 (このIDを非表示/違反報告)
はと(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみにしています。玉ちゃんがこの後、どんな行動にでるのか楽しみです。 (2020年1月26日 0時) (レス) id: bf18adaee4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2019年11月24日 7時