検索窓
今日:2 hit、昨日:49 hit、合計:167,841 hit

秘めた想い T -side T- 33 ページ25

その次の週末。

北山さんとの打ち合わせで
新オフィスの棚とかが確定した。



「あーこれでひと段落ですね」

後は実際に納入するだけなのに
収納が減るからその整理の仕方のコツの説明を
各社員にしてくれるって北山さんは言う。



社員の反発が目に見えてるから
そういうのもものすごく助かる。

率先して提案してくれる北山さんは
やっぱり出来る人だよな。



「玉森さんとAさんこの後お暇ですか?」

帰ろうとする北山さんが言う。



「俺この後飲みに行くんスけど、一緒にどうスか?」

「え?」

「仕事関係なく普通に飲みだからワリカンですけど」



北山さんが俺とAを交互に見る。



これ、俺が断ってAだけが行くことになったら嫌だな。



だから

「えぇ、是非。行けるよなA」

Aも強制参加にする。



まさか行くと思ってなかったAが不思議そうに俺を見てる。



「餃子とチャーハンは?」

周りに少し人がいるし小声で聞いてくるA。



え、チャーハン作ってくれる気だったんだ。
やったね。
心の中で小さくガッツポーズ。



でもそれを出さずに

「今日うちに泊まって明日のお昼にすれば良くない?」

そう答えてもさらに不思議そうに俺を見てる。



「………なに?」

「私泊まっていいの?」

「いいに決まってんじゃん」

「宮田くんいないよ?」

「だから何?」



それがなんの問題なの?



そんなに言うなら

「終電で帰ってもいいけど」

まだ早い時間だしそんなに遅くなんないかもだしね。



「…そうだよね。何なら先に帰ってもいいよね」

でもAはなんだか妙に距離開けようとしてる感じ?



「は?先に帰んの?」

「えー…えっと、その…」

「いいよ、何時でも一緒に帰ろ。つーか一緒にうちに帰ればいいだろ」



周りに人がいないから普通のトーンで言ってみたら
Aが少し慌ててあたりをキョロキョロしてる。

「ちょっ…玉森くん!?」

「なんで?何か慌てる理由とかあんの?」

「あるでしょ!?」

ちゃんと周りに人がいないことは確認してるのに。
Aは何を慌ててるんだろう。



「…ロッカー経由で降りるから先に行くねっ」

そう言うAは何だか泣きそうになってるけど
からかい過ぎたのかな、くらいに思っていて。



エントランスに行くと既にAがいて
北山さんと仲良く話してる。

その顔はさっきの俺と話してる顔と全然違う
どこか素の顔。



なんだか悔しいしどこか寂しかった。

秘めた想い T -side T- 34→←秘めた想い T -side T- 32



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (240 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
588人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

shizu(プロフ) - りぃ☆彡さん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。やっと繋がりました。短編のつもりだったんですけどね…楽しみにしててくれて嬉しいです! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はとさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。ようやくエンディングに向かいます! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りぃ☆彡(プロフ) - はじめまして。いよいよ主人公サイドと繋がりましたね!続きを楽しみにしています! (2020年2月20日 22時) (レス) id: de1f37d540 (このIDを非表示/違反報告)
はと(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみにしています。玉ちゃんがこの後、どんな行動にでるのか楽しみです。 (2020年1月26日 0時) (レス) id: bf18adaee4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:shizu | 作成日時:2019年11月24日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。