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秘めた想い T -side T- 31 ページ23

Aが用意してくれた資料は
完璧だった。

研修の打ち合わせも無事終わり
北山さんからも見積もりが届く。



「マジでありがと」

「もう分かったから」



何度も謝る俺にさすがにAも苦笑い。



「もう大丈夫なんでしょ?」

「ん」

「なら良かった」

って笑うAにやっぱりドキッとする。




どーしちゃったんだろう俺。





その日の夜
宮田から電話が来る。



『にゃーす!』

「…元気そうだな」

いつもの宮田の声のトーンにホッとする。



『やっと落ち着いてきたよ!そっちはどう?』

「ん、まぁぼちぼち」

『Aちゃんは元気?』

「……うん、まぁ」



つい歯切れが悪くなって

『ん?どした?』

宮田につっこまれる。



実は、って全部を話すと宮田が笑う。



『もー!タマってば俺の事好きすぎじゃん』

宮田が笑う。



「は?」

『俺がいないとダメダメじゃん!』

「…そーだな」



本当にそうだと思う。



あっさり認める俺に宮田が驚いたのか宮田が少し黙った後で

『…ふふふ、タマ、嬉しいこと言ってくれるじゃーん』

少し照れた声で言う。



『でもさ、多分タマはAちゃんがいない方が辛くなると思うよ?』

「……え?」

『仕事だけじゃなくてさ。タマって自分が思ってる以上にAちゃんの前で素だよね』



宮田に言われて気付いた。



俺が宮田を好きだって言っても動じなくて
すんなり受け止めてくれて。

決して人のせいにしない。

俺好みのチャーハンを研究してくれて
いつも近くにいてくれて。

毎週末一緒にいても苦痛じゃなくて
むしろ嬉しくて。

そんな人、今まで居たか?



『ホントはだいぶ前から気づいてたはずだよ?』



宮田の言う通りだ。



「そうみたい」



いや、違う。

「ううん、そうだね」



『みたい』じゃなくて『そう』だ。



俺は

Aのことが、好きだ。




『ふふふ、ようやく認めた?』

「うん。あ、でも宮田…」

前にAが理想って言ってたのに。



『あはははは、俺は違うよ?Aちゃんは俺の嫁の1人』

「それAに言ったら怒られない?」

『大丈夫、Aちゃんも俺のこと友達としか思ってないから』



そうなの?
ならいいんだけど。



『タマは俺より担当さんを心配したら?』

「え?」

『Aちゃんのお兄さんの友達』



北山さんのことか。



『恋愛ゲーで盛り上がるイベント待ったナシだよ、そういう再会系』



北山さんはすでに本気だし。

さすがに焦る。

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shizu(プロフ) - りぃ☆彡さん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。やっと繋がりました。短編のつもりだったんですけどね…楽しみにしててくれて嬉しいです! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はとさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。ようやくエンディングに向かいます! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りぃ☆彡(プロフ) - はじめまして。いよいよ主人公サイドと繋がりましたね!続きを楽しみにしています! (2020年2月20日 22時) (レス) id: de1f37d540 (このIDを非表示/違反報告)
はと(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみにしています。玉ちゃんがこの後、どんな行動にでるのか楽しみです。 (2020年1月26日 0時) (レス) id: bf18adaee4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年11月24日 7時

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