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秘めた想い T -side T- 24 ページ16

ニコニコ俺たちに近づくAは
俺と宮田の表情とは真逆の反応で。



「今日は外に飲みに行くんだね」

「…まぁ」

「ごめんね、ドタキャンして」

「や、別に構わないけど」



ニコニコ話すAに俺は引きつった反応しか出来なくて
そんな俺とAをハラハラしながら宮田が見てる。



そしてAの隣に立つ男をマジマジと見ると
まぁ普通だし背は俺と変わらないし
身なりもキチンとしていた。



「えっと…」

宮田が何て言っていいか分からなくて俺とその男の人とAを代わる代わる見てる。



ここでようやくAが俺たちがその人が何者か知りたがってるのに気づいた。



「あ、こちらうちの兄です」

「「兄!?」」



俺と宮田のリアクションにAが驚く。

「うん、兄」

「初めまして、いつも妹がお世話になっております」

紹介されたAのお兄さんが丁寧にお辞儀をしてくる。



慌てて俺らも自己紹介するとお兄さんは優しい顔で笑って

「話は聞いております。仕事だけじゃなくてしょっちゅうお世話になってるみたいで」

その顔がAそっくりだった。



「いや俺たちがAさんにお世話になってるんですよー!ね!」

宮田はその人が何でもないって分かると営業っぽくペラペラ喋りだして俺に同意を求めてくる。



でも正直俺は
この人がAの彼氏でも好きな人でもないことにホッとしていて
脱力のあまり座り込まないようにするのに必死で愛想笑いくらいしか出来ない。



「今日急に父が出張でこっちに来てるって言い出して慌てて私と兄も会うことになって」

「へー!そうだったんだー」

だからAと宮田が喋ってるのもぼんやり眺めることしか出来なかった。



「お兄ちゃんはデートの予定だったのにね」

「Aだって皆と遊ぶ予定だったんだろ?」



Aとお兄さんの空気感や口調が優しい。

そしてお兄さんがAを名前呼びしてて
改めてAはAって名前だったんだな、なんてぼんやり思う。



「もし良かったら終わってからおいでよ!また新しいDVD持ってきたし」

「え!いいの?」

「うん、ね、タマ」



宮田とAが話してて俺に話を振るけど
お兄さんの前で夜来いとか言っていいの?



戸惑う俺にお兄さんが優しく笑って

「うちので良かったら遊んでやって下さい」

なんて言う。



それだけで普段Aが俺らの事をお兄さんにどう話してるか分かるし
お兄さんに安心されきってるのも何だか複雑だった。

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shizu(プロフ) - りぃ☆彡さん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。やっと繋がりました。短編のつもりだったんですけどね…楽しみにしててくれて嬉しいです! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はとさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。ようやくエンディングに向かいます! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りぃ☆彡(プロフ) - はじめまして。いよいよ主人公サイドと繋がりましたね!続きを楽しみにしています! (2020年2月20日 22時) (レス) id: de1f37d540 (このIDを非表示/違反報告)
はと(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみにしています。玉ちゃんがこの後、どんな行動にでるのか楽しみです。 (2020年1月26日 0時) (レス) id: bf18adaee4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年11月24日 7時

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