すぐ近くにいる another story 4

秘めた想い T -side T- 39 ページ31

宮田と面談の日時が確定して

「どうする？泊まる？」

Aが最後の確認をしてくる。



「ま、遊んで帰るか」

そう答えるとAが凄く嬉しそう。



そんなAが可愛くて俺もニヤけそうで
Aの笑顔が嬉しいなんてバレたくなくて必死にニヤニヤするのを我慢する。



「宿取っておくな」

「よろしく」



スマホで宿のサイトを見てると
Aがじーっと俺を見てるから

「部屋一緒にする？」

「…別に決まってるでしょ」

聞いてみたら軽蔑するような顔でAは俺を見る。



週末は一緒の部屋なことあるのに
そんな顔しなくても。

北山さんとの話を聞いてるから地味に傷つく。



宮田に会いに行くと面談で宮田が

「新しい仕事はすごく楽しいんですけど、皆がなかなか仲間って思ってくれないのが辛いです」

悲しそうに言う。



「同じグループなんだしお互いの会社の情報交換も出来たらすごくいいのに」



宮田のこの一言で「あっ」て気づく。



そうか。

関連会社同士で交流出来たらいいのか。

研修って名目なら集められるし
お互いの会社の情報交換も出来る。



面談が終わって宮田が部屋を出た後で面談結果を意見交換した後で
課長に提案してみると

「どの会社にも共通するテーマを考えないとだな」

課長の反応も悪くない。



「経理とか良くないですか？どの会社にもあるしシステムは関連会社で共通してますよね」

Aも言い出す。



さすが。
頭いいっ！



「よし、事務所の引越しが終わったら2人はそっちに取り組むか」

「「はい」」



返事をしながら
これでまたAと仕事が出来る、なんてぼんやり考える。



でも結局俺とAの確固たる繋がりって仕事でしかなくて。

それってものすごく不安定じゃない？

宮田みたいに距離的に離れたら
Aは俺の事を考えなくなるんじゃないかな。

しかも仕事に勝手に巻き込んで。

嫌になってないかな。



それが不安になって
課長がトイレで席を外したタイミングで
ツンツン、ってペンでAの腕をつっついた。



「なに？」

Aの甘い声。
ドキッとする。



けど気を取り直して言う。

「巻き込んでごめんな」

俺が勝手に言い出して巻き込んじゃったよね。



でもAは

「何でよ、仕事でしょ？」

なんてクスクス笑ってて。



「また一緒に考えよう？」

優しく返してくれるから

「ん」

嬉しくて結局ニヤニヤしちゃう。



チョロいよな、俺。


結局、とにかくAが大好きだ。

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