すぐ近くにいる another story 3

秘めた想い T -side T- 7 ページ49

シャワーを貸してる時に
この状況何？って初めて思った。



なに俺着替えやシャワー貸してるんだろう。

これ大丈夫？



シャワーから出てきたAは

「さっぱりしたー！」

ってリラックスしてて。



ヲタ芸でめちゃくちゃ汗かいたもんね。

風呂上りだけどブラしてんのかな？



って！

俺変態？

変に意識して恥ずかしくなる。



「ねえ」

声をかけてくるAは目がキラキラしてて

「玉森くんちのタオルめちゃくちゃフカフカで気持ち良かった！何処のタオル？洗剤とかこだわってるの？」

全く俺を意識してない、って顔。



「…店教えよっか？洗剤と柔軟剤も」

「うん！」



何だか緊張してるのがバカみたい。




「どうする？寝る？眠い？」

先に寝かせちゃえば俺も意識しなくて済むよな、と思って聞くと

「…なんだか楽しくなってきちゃって目が冴えてきた」

楽しそうに言うから。



俺も彼女がいたのは大学1年の時だし
それからは面倒くさくて彼女作らなかった。

人が家に居るとか久しぶりで。
宮田すらまだうちに来たことないし。


そう考えると俺よくAを泊めたな。



「あははは、なんか分かる。人が泊まりに来るとか俺も久しぶりで眠気飛んじゃった」



なんか子供の頃に友達の家にお泊まり会した時のテンション。

Aとガッツリ2人なのも初だし。



アイスを取りに行って渡しながら

「どうする？なんかお話しとかする？」

「確かに玉森くんとそんなに話してないもんね」

何となく女子で言うとこのパジャマパーティーみたいな感じになってきた。



「玉森くんはいつから彼女いないの？」

いきなりぶっ混むA。
その質問早くない？



「最後にいたの大学1年の3ヶ月くらいだけかな」

「え、私より酷い」

「酷いって何だよ。」

「私ですら2年間は居たよ」

「長さとか関係ないだろ」

「へー、じゃあ深かったの？」

「んーー…普通」



面倒くさいの方が上だったから。

一緒に居てもお互い楽しくなかったのに
いざ彼女に別れ話したら彼女は「別れたくない」って言うし。
そのくせ自分は2週間で新しい彼氏作ってたから意味わかんない。



その話をしたら

「玉森くんはもったいないよ」

Aが言う。



「もっと歩み寄れば良かったのに」

「なんで」

「女の人苦手って全部拒絶してたらいい出会いも見逃しちゃうよ」

「別に彼女欲しくないし」

「そうじゃなくて。恋人だけが出会いじゃないよ」



そう言うけど。

ピンと来ない。

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