すぐ近くにいる another story 3

秘めた想い T 26 ページ32

数日後
宏光先輩との打ち合わせで

「じゃあ入れるものはこれで確定で」

新オフィスでの棚や机が決まった。

今日の打ち合わせが夕方からで
いま18時を回ったところだった。



「あーこれでひと段落ですね」

「そうですね、だいぶ収納減るので社員からのクレームが怖いですけど」

「そこはもうペーパーレスで押し切って下さい。もし必要なら収納の仕方のアドバイスの説明もしますよ。もちろん無償で」

「ホントですか？」

「是非検討して下さい」

なんて先輩と玉森くんが話してるのを見守る。



今日は見積の確認だけだから議事録もいらないし
明日休みだからこのまま帰れるな、なんて考えてたら

「玉森さんとAさんこの後お暇ですか？」

宏光先輩が言う。
打ち合わせ中だから宏光先輩は私のことも苗字呼び。



「俺この後飲みに行くんスけど、一緒にどうスか？」

「え？」

「仕事関係なく普通に飲みだからワリカンですけど」

玉森くんと私を交互に見て反応を探ってる宏光先輩。

今日はこの前玉森くんの家で沢山作った餃子を冷凍してあるし
それとチャーハンを私が作りに行くのかなって何となく思ってたから断るのかと思いきや

「えぇ、是非。行けるよなA」

玉森くんは私にもほぼ強制する言い方。

「…はい」

「んじゃ決まり！行きましょっ」

なんて宏光先輩はさっきの倍速で片付けを始めてて
私と玉森くんもそれに続いた。



「では玄関でお待ちしてます」

「「はい」」



会議室を出て
宏光先輩と1度別れて玉森くんと事務所に戻る途中で
誰もいない時に

「本当に行くの？」

玉森くんに聞くと

「うん」

平然と答える。



「餃子とチャーハンは？」

「今日うちに泊まって明日のお昼にすれば良くない？」

なんてさらに平然と玉森くんは答えてるけど。



宮田くんが居なくなってから泊まりはしたことなくて。

私と玉森くんが週末2人で泊まりで一緒に過ごすとか。
宮田くんが居ないのにおかしくない？



「………なに？」

びっくりしてる私に玉森くんが聞く。

「私泊まっていいの？」

「いいに決まってんじゃん」

「宮田くんいないよ？」

「だから何？」



なんて何もおかしくないってテンションで言う玉森くん。



違和感を感じてるのは私だけ。

今までなら2人なことに違和感なんて感じてない。
そもそも入社当初泊まってるんだし。



その頃の私と今の私の違いは

玉森くんに対して感情があるないか。



そう、私は

玉森裕太に恋をしているんだ。

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