すぐ近くにいる another story 3

秘めた想い T 18 ページ21

そしてそれから半年。

私たちの研修計画が会議で承認された。



「「「カンパーイ！」」」



その週末。

宮田くんが焼肉屋でお祝いをしてくれる。



「すごいね！2人とも」

「すごいのは玉森くんだよ」

私は玉森くんが言う資料揃えただけで。



「でもこれからこれを稼働すんのが大変だからさ。これからも頑張ろーな」

玉森くんが言うから
うんって頷く。



「凄いなー、2人。すごい仕事順調じゃん」

宮田くんが羨ましそうに私たちを見る。

「大変だったよ？なぁ？」

「うん」



本当に大変だったよ。

玉森くんはスパルタだった。
少しでも理想と違うと突き返すし
最後の方は何となく玉森くんの理想が分かったから
必要な資料出せたけど。

それまでどれだけ大変だっか！

最近は自分なりの意見を言えたから
だいぶいい内容になったと思ってる。



「いいよなーなんか」

宮田くんは本当に羨ましそうに私と玉森くんを見る。



「何が？」

「2人は信頼しあってるっていうかさ。仲間同士な感じがする」

なんて宮田くんは言うけど。



それは多分同じ部なだけだから。



「宮田くんだって仲間だよ。私からしたら宮田くんも玉森くんも同じくらい大切だよ」

って言ったら宮田くんは目をうるうるさせて

「A……」

って立ち上がって腕を広げて抱きつこうとしてくる。
そこを玉森くんが

「はいっ、酔いすぎー」

メニューで私と玉森くんの間を遮って阻止する。



「えぇー、タマは俺とAちゃんの仲を邪魔する気？」

「ちげーし！つーかそもそもAも俺と3人仲間って言ってるだけで宮田とそんな仲なんて言ってねーし」

なんて2人でわちゃわちゃしてるから笑っちゃう。



「とにかく食べよ？今日も2次会は玉森くんちでいいの？」

「はーい」「ん」

2人が席につくからお肉を焼き始めた。



3人で楽しい時間を過ごして
玉森くんちでソファに3人で並んでアニメを見ながら笑ったり泣いたりして
いつの間にか寝ちゃっていた。



ものすごく寝心地が良い。
何だろう？隣が暖かい。



思わず抱きついて我に返る。



気がつくと玉森くんを真ん中にして私と宮田くんが寄りかかって3人で寝ていた。

ってことは抱きついたのは玉森くんにってとこで。
起きてびっくりする。


私が動いたから玉森くんも気づいたのか目を開けて

「ほら、おいで」

なんて寝ぼけて手を伸ばしてくれたから。


ついその腕の中に入ったら抱き締めてくれて
それが気持ち良くてそのまま眠った。

秘めた想い T 19→←秘めた想い T 17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す