すぐ近くにいる another story 3

秘めた想い T 17 ページ20

その後玉森くんは
ものすごく追い詰めた。

私にマグカップを用意して
またマグカップを割られたのを
3つ集める。

ロッカーは皆に内緒でもう1つ与えられて
でもそのまま使ってるフリを偽装する。

伝票が私のロッカーに入れられた日に
警察を呼ぶ。

マグカップとロッカーの指紋と
新入社員2人の指紋が一致した。



次の日出勤した2人は別室に呼ばれて
事情聴取が始まる。

2人は初犯を主張したけど
それとは別でパソコンのログを玉森くんは用意した。

社内メールで
私だけじゃなくて、色んな人達の悪口。

そして嫌がらせの相談と
伝票を今日どこに隠すかの相談。

これが入社当初から始まってるのも分かる。

「これ何？」

バサッと2人に叩きつける。

2人は青ざめるしかない。



そしてその中で語られていた
私と玉森くんが体の関係であることを
課長に伝えようという相談。

そしてそれに乗っかったと喜ぶメール。



レコーダーの記録と共に課長にも聴取。

内容が内容だから席を外すように言われたから
何があったかは分からないけど
課長もあの2人もその後会社に来ることは無かった。



3人抜けて一気に忙しくなった週末。



宮田くんは出張で居なかったのに
玉森くんに家に呼ばれた。



「あのさ」

だいぶ前に置いていった部屋着に着替えて
飲んでると玉森くんが言う。

「すごい大変になるかもしれないけどこれから俺らで研修の計画とか社内の勉強会企画しよう」



ハラスメントとかコンプライアンスとか確かにちゃんとしてたらなとは思うけど。

「私たちまだ2年目だよ？そんなの通る？」

上司たちが許してくれるかな。

「だって聞いたら研修5年も同じ内容なんだよ？そんなの内容古いって。いま世の中どんどん変わってるんだからいつまた社内の誰かにこんなこと起こるかわかんねーよ？」



玉森くんはそう言うと資料を広げた。

毎年のスケジュール計画と
20年間の教育計画スケジュールが出される。



「…いつの間に？」

「半分くらいは前から作ってた」

しれっと言う玉森くん。



やっぱり出来る人は違う。



「これを実行するにはAの協力も必要だから」

「えっ？」

私？

「この計画の相棒を俺はAにお願いしたいの。Aとしか出来ないと思ってる」

そう言って頭を下げて

「もう第二第三のAや俺みたいなヤツ出したくないの！お願い！一緒に俺とコレやろ？」

ってチラッと私を見る玉森くん。



玉森くんみたいなヤツ、ってどういう意味だろう？

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