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ないしょとヒミツ 17 ki ページ8

寝て起きてを繰り返して
いつの間にか辺りは暗くなってる。

最後にトイレに起きたのが夕方だから
少なくとも夜か夜中かな。



目を開けると
ベッドの横にはA。

俺に背中を向けてベッドにもたれて
タブレットで何か仕事をしてるっぽい。



あたりを見渡すと
昼に加湿器の水切れてたんだけど
足してくれたみたいで
音からしてフル稼働してるのが分かる。

脱ぎっぱなしで剥しっぱなしだった
服やシーツもなくなってる。

おでこの冷えピタも
替えてくれたのかひんやりしてる。



マジでありがとう、A。




「A」

声を掛けて手を伸ばして後ろから首元にしがみつく。



「…起きた?」

俺の手をぽんぽんしてくれながらAが聞く。



「ん」

「熱は?」

「わかんない」

「測ろっか」

「ん」



少し布団をめくってボタンを外すA。

胸元より少し下まで開けるとはだけさせてチラッと俺を見上げる。

よく見ると私服だしすっぴんでラフな格好になってる。



「ちょっとだけ腕上げて?」

そう言う声もなんかオフモードで。



なんかムラッとする。



自分の部屋にオフなAが居るのが新鮮で
上げた腕に体温計を挟むAを
腕をおろしながら抱き締める。



「ちょっと、宏光っ」

「んー、熱測る間だけー」



甘えた声を出すけど最新体温計は僅かな時間でアラームを鳴らす。



「ほら、病院行くか決めるから体温計見せて?」

「やだー」

「やだじゃないでしょ」



子供みたいな俺にAが笑っちゃてる。



「治ってたら今朝の続きしてくれるんでしょ?」

そう言ってAは自分で言いながら真っ赤になってる。



くそーっ、俺の扱い方を分かってきやがって。



腕を解くと体温計を見てから俺に見せてくる。

「んー、37.1度ですね」

「ほぼ治ってんじゃん」

俺が言うと

「ダメ。前に熱出した時にこれでぶり返してるでしょ」

そう言って体温計をしまう。



「もうひと眠りかな」

そう言ってボタンを閉めてくれるAの手を取って

「ひと汗かけば熱下がるんじゃね?」

って甘めな声で言っても

「それでぶり返したら明日の仕事で困るのは誰?」

冷たく質問でかえす。



……すん。
冷静だなAは。



でも

「寝るまで居るから」

なんて甘い事を布団を掛けてくれながら言うAに

「いーよ、昨日あんま寝てねーだろ?」

いじけて答えたら

「私がそうしたいの」

なんて答える。




くそっ。

いよいよ俺の扱い方分かってんな。

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shizu(プロフ) - haru070917さん» コメントありがとうございます!最近更新頻度落ちてますが細々続けますのでまた是非読みに来てください (2019年9月12日 22時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
haru070917(プロフ) - とても面白いです。みっくんとても可愛くてかっこ良く書けてますよ、続き待ってます。 (2019年8月30日 10時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年8月18日 21時

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