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ないしょとヒミツ 16 ki ページ6

病院に行った後。

Aの雑炊を食べて薬を飲んで寝る。



ふと目が覚めると
外が明るくて手がほんのり温かい。



……ん?



見るとAが俺の手を握って
ベッドサイドで顔だけベッドに伏せて寝てる。



記憶の糸を辿る。



病院から帰ってきてから雑炊とりんご蜂蜜生姜ティを飲んで
風邪薬と一昨年の年末に飲んだ栄養ドリンクを飲んでから

「じゃあ後は温かくして寝てね」

そう言うAの服の裾を掴んで

「………帰るの?」

って聞いちゃったな、俺。



「寝るまでそばに居てよ」

って言う俺の手を握ってくれたAは逆の手で俺の頭を撫でて優しく笑ってから
お腹のあたりを布団の上からポンポンしてくれて。



それが気持ちいいな、なんて思いながら寝ちゃったな。




…やべー。

Aは今日仕事なのに。




「A」

ギュッて手を握って少し揺する。



「ごめん、A。もう朝になっちゃった」

「んーー」

Aは唸ると体を起こす。



「おはよ、宏光」

寝起きの少し甘えて寝ぼけた声のA。



起きても「宏光」呼びだ。
マジか。



…ってそれどころじゃねーな。



「『おはよ』じゃねーよ。ごめん仕事なのに」

「ううん、大丈夫。宏光の手が気持ち良くて熟睡しちゃった」

そう言ってギュッて俺の手を握り返すと



「宏光の手、ホントに気持ちいい」

そう言ってふにゃって笑う。



…やべー。

激かわなんですけど。



「…ふざけんなよ。こんな時にそんな可愛いこと言ってー」



こんな時に限って襲えないとか。
ごーもん以外の何ものでもねーし。



「え?ふざけてないよ」

「もー!そーじゃなくてっ!」

素で返すAがどこまでもAで。



何がきっかけで名前呼びやらタメ語になったかわかんねーけど。

Aは変わってねーな。



「あー、こんな甘いAを目の前にして何も出来ねーとかキツイっ」

「…それだけ言えるならもう熱下がってますよね」



そう言っておでこに冷えピタ貼ったままだから
俺の首元に手を入れて熱を確認するA。




「今日出来るだけ早く帰って来るね」

「うん」

「キッチンに雑炊とりんご蜂蜜生姜ティ置いてあるから」

「…ん」



俺が頷くとAが笑って
首元まで布団を掛けてポンポンって軽く叩くと
ほっぺにちゅっ、て音を立ててキスをくれる。



「早く良くなりますように」


そう言うと真っ赤になって。

「行ってきますっ」

慌てて出て行った。




マジで治ったら超ー抱く。

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shizu(プロフ) - haru070917さん» コメントありがとうございます!最近更新頻度落ちてますが細々続けますのでまた是非読みに来てください (2019年9月12日 22時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
haru070917(プロフ) - とても面白いです。みっくんとても可愛くてかっこ良く書けてますよ、続き待ってます。 (2019年8月30日 10時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年8月18日 21時

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