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好きすぎるから 5 ページ45

横尾さんが降りた後。

玉森さんは宏光の顔の前で手をフラフラ振って宏光が寝てるのを確認してから

「Aちゃん」

小声で私を呼ぶ。



「どうしました?」

私も小声で返すと

「明日の朝、早く出るよね?」

小声で玉森さんが続ける。



「そうですね、9時には出ますケド」

早めに行って仕事しようかなと思って言うと

「1時間早くしない?」

なんて提案してくる。



「…どうしました?」

「俺も事務所とその周辺に用事あんの」

「朝にですか?」

「うん。それでそのまま事務所から乗るよ。そしたら時間短縮になるよね」

「時間短縮はありがたいですケド」



玉森さんが寝る時間も短くなりますよ?



「ごめんね、よろしく」

「ついでなので問題ないです」

だいぶ余裕もって仕事できるからいいな。
なんて思う。



「じゃ、そうと決まれば早く帰ろうか」

「十分急いで帰ってますよ?」

「あはははは、そうだね」



宏光のマンションに着くと玉森さんは

「ミツ!バカミツ!おじさんっ!ねぇミツってば!」

って宏光を叩いて起こす。



呼び方がどんどん悪口になってて笑っちゃう。



さっきがあったから『バカミツ』も『おじさん』もどこか否定したくなかったってことは
やっぱり私は妬いてるんだな。

でもこんなの恥ずかしい。



「あー悪ぃ、降りる降りる」

「お疲れ様です」

降りる宏光に声を掛けたけど何処と無く冷たくなった。



「明日は13時に迎えに来ます」

「あ、いつもの新宿な」

明日迎えに来る時間を確認するとサラッと宏光が言う。
『いつもの新宿』は架空の人なのになんだか今日は嫌で。

「………分かりました」

変にためが出来ちゃう。



玉森さんがそんな私にはお構いなしで

「ほらほら、早くAちゃん。俺もログイン時間短くなっちゃうー」

ゲームを早くしたいフリをして急がせるから慌てて車を出す。



玉森さんを降ろして車を停めると私用LINEに通知が来る。

北山この後行っていい?



…今は会いたくない。

仕事の一環に対して嫉妬してるとか。
大人げ無さすぎる。



仕事をするからという理由で
この後と明日の朝ご飯を一緒に食べるのを断る。



送ってからため息をつく。

こんな気持ち初めてで自分でもどうしたらいいかわからない。
でもせめて今は冷静になる時間がほしい。


スマホの電源を落とすと
帰って山積みの伝票を広げた。



処理が終わって4時少し前。

スマホの電源を入れると通知は無くてホッとした。

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shizu(プロフ) - haru070917さん» コメントありがとうございます!最近更新頻度落ちてますが細々続けますのでまた是非読みに来てください (2019年9月12日 22時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
haru070917(プロフ) - とても面白いです。みっくんとても可愛くてかっこ良く書けてますよ、続き待ってます。 (2019年8月30日 10時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年8月18日 21時

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