サイボーグな彼女 11

好きすぎるから 4 ページ43

みなさんに
何で私が来たかを説明する。

「で？酒井ちゃんは大丈夫なの？」

玉森さんに聞かれるけど

「私も連絡待ちです」

小一時間経つのにまだ武田さんから連絡はない。



ひとまず藤ヶ谷さんが早く帰りたいそうなので
藤ヶ谷さんの家に向かう。



「ごめんねAさん。ワタの家に行く方が効率いいのに」

「大丈夫です、みなさんが良ければ」

「俺は全然オッケー」

なんて藤ヶ谷さんと横尾さんと話してるとスマホに着信。
信号待ちのタイミングで相手も武田さんだったのでスピーカーホンで通話にする。



「お疲れ様です」

『おつかれー。そっちどうだ？』

「いま皆さんを送ってます」

そう言うと

「いぇーい、武田ちゃーん」

玉森さんが声を掛けてるから

『おータマおつかれー』

皆が聞いてることに武田さんも気づいた様子。



「武田ちゃんもおつかれー。酒井ちゃんどうだった？」

『インフルエンザA型』

「あらま」



酒井さんはインフルエンザに弱いのかな。




『全員今日から手洗いうがいを倍にするのととにかく睡眠！』

「「「はい」」」

武田さん言うので皆の返事がいい。



『特にA、お前さっき発症した酒井と一緒にいたし密着してんだから特にな』

「はい」



武田さんの密着って言い方が何だか気になるけど。

二階堂さんと千賀さんが居ないと
さすがにツッコミがない。

一瞬だけ宏光を見たけど走ってるところも暗いし表情までは見えない。



『とりあえず5日間の予定組み直しするから明日の集合10時で』

「承知しました」

『場合によっては悪いけど来週の休み取り消しになるかも』

「………はい」

さすがに嫌だな、と思って間を開けてしまった。



電話を切ると藤ヶ谷さんがものすごく申し訳なさそうにしている。

「…ごめんねAさん、明日早いのに」

「大丈夫です、気にしないで下さい」



それより気になるのは
休みが無くなっちゃうことで。



藤ヶ谷さんが降りた後
さすがに皆さん寝てると思ったら横尾さんが

「Aちゃん大丈夫？」

声を掛けてくる。



「何がですか？」

「メンバーのあんなの見たくなかったよね」

「…あぁ」

女性のお店に行ってるところって事だろう。
気にして下さったんだ。



「思ったより普通でした」

「あははは、俺らのイメージどんなよ」

横尾さんの笑った声で
何だか宏光の態度とか休みが無くなることのモヤモヤが晴れた。



ありがとう横尾さん。

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