ないしょとヒミツ 30 ページ33
次の日。
帰りの車に
玉森さんと宏光を乗せて帰る。
「今日俺ザギン」
宏光が言う。
「…チャラ」
玉森さんが言うと
「今日はザギンでシースー」
さらに宏光が言って笑ってる。
「うわー逆にダサっ」
玉森さんは顔を顰めてる。
そして
「A」
声を掛けてくる宏光。
「明日さ、新宿で拾って？」
ミラー越しに私を見て宏光が言う。
「新宿ですか？」
私が聞き返すと
「うん。前によく拾って貰ってたとこ」
って宏光が言う。
よく拾って貰ってたとこ？
何のこと？
首を傾げかけて気づく。
宏光が『気づけよ』って感じでジッと私を見てる。
…あ、もうフリ始まってるんだ。
「忘れちゃった？じゃあ詳しい位置また送る」
って宏光はスマホを操作してる。
そうこうしてると銀座に着いたから
「じゃねー」
降りてく宏光と
「あーい」「お疲れ様です」
見送る玉森さんと私。
玉森さんと2人になると
「ミツさぁ」
話し掛けてくる。
「はい？」
「Aちゃんのお見舞い来たの？」
玉森さんが聞いてくる。
宏光がフリ始めてるんだから私も乗っからないと。
「はい。昨日の朝早くに来てくれました」
私が言うと
「朝？」
玉森さんがびっくりしてる。
「朝でした」
「そなの？」
「はい」
嘘をつくことに少し緊張する。
「…あ、そう」
「はい」
「そか」
納得してくれたのかな。
「彼氏は来てくれたの？」
スマホを触りながらさらに玉森さんは聞いてくる。
「昨日の夜、少し」
ホントは彼氏は朝までいたけど。
そう答えると
「そか」
ニコッて玉森さんがホッとして笑う。
「やっぱり彼氏が一番だよね」
「…うつると困るから来ないでほしかったです」
「あはははは、確かに」
なんて大笑いしてるけど
玉森さんがどこか寂しそうで。
「どうかしたんですか？」
「ん？」
「…子猫ちゃんにホントのこと言ったんですよね」
「うん」
どうだったんだろう？
でも次の瞬間玉森さんのスマホが鳴った。
「はーい」
玉森さんが出て少し会話をした後で
「Aちゃーん、宮田がご飯行こうって」
って言う。
「もう元気だよね？」
「はい」
さっきも平熱だし喉も痛くないし。
「なら行かない？宮田が明日休みで俺んち泊まるからご飯食べて一緒に帰ろうってさ」
なるほど。
効率もいいですね。
「行きます」
「ん」
何食べるー？なんて話してて
それ以上子猫ちゃんの話にはならなかった。
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shizu(プロフ) - haru070917さん» コメントありがとうございます！最近更新頻度落ちてますが細々続けますのでまた是非読みに来てください (2019年9月12日 22時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
haru070917(プロフ) - とても面白いです。みっくんとても可愛くてかっこ良く書けてますよ、続き待ってます。 (2019年8月30日 10時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年8月18日 21時
