サイボーグな彼女 11

好きすぎるから 1 ページ37

1月も終わる頃。


「ここしかねーだろ」

「だから休みの使い方おかしいから」

「おかしくねーよ」

「おかしい」



やっと宏光と休みが被ることになった。

その過ごし方で揉めてる宏光と私。



「理子ちゃんにも会いてーもん」

「写真送るから」

「動いてねーじゃん」

「じゃあ動画送る」

「お前わざとか？」

「せっかくの休みなのに休んでって言ってるの」

「その『せっかくの休み』を何で俺の好きに使わせてくんねーの？」

「これから海外弾丸とか歌番組とかで忙しくなるからでしょ？」

「だからこそそこしかねーんだってば」

「だからこそそこはゆっくりしてってば」



さっきから私たちの会話は平行線。



「頑固者っ」

「どっちがよ？」

「Aがだよ」

「宏光でしょ」

「いいじゃん行こうよ」

「だから何を好んでせっかくの休み人の実家に行くわけ？」

「休み取れたら行こうって言ってただろ？」

「それは連休取れたらでしょ？」



そう、私たちの今回揉めてる原因は
やっと休みがかぶるけど
昼過ぎ終わり→休み→オールナイトニッポン
だから私はそこで無理矢理福島に行くことにした。

その休みを最後にほぼ3週間丸一日の休みがないのに
宏光は私が福島に行く話をしたら「俺も行くっ」てものすごく食いついてきた。



「せっかくの休み一緒に過ごそーよ」

「そこから3週間毎日一緒にいるよ？」

「いーじゃん、夜は別の日もあるんだし」

「当たり前でしょ」

「なんなの？Aは一緒に過ごせなくていいわけ？」

「そうは言ってないでしょ？」



だんだん険悪になってくる。



「宏光は極端だよ、なんでそうなるわけ？」

「だって一緒に過ごせなくてもいいみたいな言い方してさー」

「そんなこと言ってないじゃない。今だってこうして一緒にいるでしょ」

「そうだけどさー」



せっかく2人でベッドに一緒にいるのに。

明日はお昼からだからって夕飯から一緒に過ごしてて
抱き合ってるのに話し合いはまだ平行線。



「わかった。この前行った温泉も行こう」

「え？」

「貸切風呂借りてさ。そしたら俺も休めるじゃん」

「福島まで？」

「うん。あそこすげー良かったじゃん」

「良かったけど…」

「けどなんだよ」



それが宏光の唯一の休みの過ごし方になるのが
おかしい気がしてならない。

唯一のお休みなのに体を休めないとか
その後のスケジュールを考えたら
ゆっくりして欲しいんだけどダメなのかな。


なんで伝わらないんだろう。

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