検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:277,277 hit

ないしょとヒミツ 24 ページ21

玉森さんに
病院に連れてってもらった後。

ドラッグストアでこの前玉森さんに買ったものと
同じものを玉森さんが買ってくれた。



「ありがとうございます」

「いえいえー。俺が先に風邪引いて良かったー。何が必要か分かったし」

「…本当にごめんなさい。用事あったんですよね?」

もう夕方どころか夜になってる。
玉森さん用事あるって言ってたのに。

「へーきへーき、少し遅れるって言ってあるし」



そしていいって言ったのに荷物を玄関まで運んでくれる。

「ちゃんと寝なよ」

「…分かってます」

「仕事しちゃだーめ」

「………はい」

でも明日休みだし忘れる前に議事録作らないと。



ドアを開けてくれて荷物を置いてくれながら玉森さんが言う。

「前にさ、言ってくれたじゃん?」

「何をですか?」

「俺が玉森裕太なのを知ってる知らない関係ないって。その人自身が好きでしょ?って」

「はい…」

確かに言いましたけど。



「でも言おうと思ってるんだ」

「自分の正体をですか?」

「うん。それでもいいって言ってくれたら一緒に居ようと思って」

「そうですか」

「もうこれ以上黙ってるのしんどいわー」



そしてさらに言う。

「Aちゃんの秘密も何となく分かっちゃった。ホントは彼氏居るよねー」



玉森さんの言葉にドキッとした。
相手まで分かってるのかな。



「あはははは、別にいいじゃん?Aちゃんは俺と違って恋愛自由でしょ?」

相当引き攣ってたんだろう。
玉森さんが笑ってる。



でもこう言うってことは相手までは分かってないのかな。



「……はい」

「んふふ、羨ましいな。自由に恋愛出来て」

なんて寂しそうに玉森さんが言うから

「辛いです」

つい言っちゃう。



「え?」

「忙しい人なんです。仕事も遊びも」

「そうなんだ」



そう。

私を優先しないでほしい。
みんなを大切にする宏光が好きだから。

でも宏光のベッドで過ごせたから欲張りになってる。



もっと、ってなってる。



「Aちゃんのいいとこだよね、周りを優先しちゃうとこ」

「違います」

「え?」

「ずるいんです、私。ワガママ言って嫌われるのが怖いから我慢する方が楽で言わないんです」



言ってて泣きそうになる。

何言ってるんだろう。
こんなこと言っても玉森さんが困るだけだ。



「大丈ー夫!」

大きな声で玉森さんが言う。



「Aちゃんいい子だからきっと伝わってるよ」



玉森さんが優しく笑うから
いよいよ涙が零れた。

ないしょとヒミツ 24 ki→←ないしょとヒミツ 23 ki



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (346 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
981人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

shizu(プロフ) - haru070917さん» コメントありがとうございます!最近更新頻度落ちてますが細々続けますのでまた是非読みに来てください (2019年9月12日 22時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
haru070917(プロフ) - とても面白いです。みっくんとても可愛くてかっこ良く書けてますよ、続き待ってます。 (2019年8月30日 10時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:shizu | 作成日時:2019年8月18日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。