サイボーグな彼女 11

ないしょとヒミツ 21 ページ15

宏光と寝た時間のお陰で
相当元気になれた。

今日は何とかこなせそう。



そうこうしてると社用スマホが鳴る。

武田さんだった。



「お疲れ様です」

『悪い知らせと悪い知らせあるけどどれから聞きたい？』

挨拶もせず言い出す武田さん。



『さらに悪い知らせもあるけどどうする？』

なんて言われて私はどうしたらいいんですか？



『ついでに最上級に悪い知らせと…』

「どれからでも構いません」

『あはははは、悪いなちょっと調子乗った』

食い気味で私が言うと電話口で武田さんが笑ってる。



『アイツ釈放されたよ』

「あいつ？」

『お前襲ったやつ』

…あぁ。



楽屋泥棒兼藤ヶ谷さんのストーカーだった人は
結局やっぱり狙いは藤ヶ谷さんで
モデルさんの荷物はカモフラージュだった。

北山さんの上着を持って行ったのは完全な間違いで
「藤ヶ谷さんのだと思った」っていう理由だったらしい。



『当然接近禁止だし次やったらやべーから来ないと思うけど』

「はい」

『北海道の全寮制んとこで働くって言うし一応ソウイウ系の所だから見張りつくけど休みの日まではある程度見るけどわかんねーってさ』

「分かりました」

確かに悪い知らせ。



『相当お前を恨んでるらしーから気をつけろって』

「あぁなるほど」

『一応防犯ベル持ち歩けよ』

「はい」

『つーか買ったから明日渡す』

「ありがとうございます」

…買わないつもりの私の性格が武田さんにもバレてる。



『あと杉山の入院延びた』

「え」

『生命に別状ないんだけど』

「…ならいいんですけど」

ホッとする。

『玉森のマネージャーも延びるからよろしく』

「はい」

それは全然構わない。



『あと玉森の映画の宣伝の件で先方から担当お前でって指名してきたんだけど』

「宣伝の件ってことは指名してきたのは…」

『炭谷さん』

…やっぱり。



『新しいCM取れたしなー。お前のレスの早さが先方全体でも話題らしくて炭谷さん以外も是非お前でってなったらしーから』



そう。
結局ゼミの先輩が紹介してくれたCMは取れた。

その恩もあるから協力しないとですけど。



「断れないですよね」

『まぁなんでだ？ってなるからな』

「……分かりました」

正直嫌だけど仕事だし。
仕方ないか。



『あと最後に北山のアルバムの曲』

「はい」

『早くしねーと企画倒れだからそのつもりで』

「……分かりました」



大変だ。

しっかりサポートしないと。

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