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Flamingo 25 ページ47

ピンポン


チャイムが鳴ったのは23時。

続けてガチャガチャ、って音がして裕太が入ってくる。



「こーんばーんわー」

裕太がリビングに入ってくる。



髪が最後に会った時と少し変わってる。



裕太だ。

ものすごく久しぶりの裕太。



「こんばんは」



久しぶりで緊張して少し声が震える。
ソファに座ったまま恥ずかしくてクッションを抱えて顔を半分隠す。



カバンを置いたりコートとか脱いでるのを眺めてたら目が合うと裕太はニコッて笑って

「A、立って?」

私の前に立って腕を広げた。



クッションで顔を隠したまま立ち上がると

「没収ー」

クッションを取り上げられて思い切り裕太が抱き締めてくる。



「…苦しいっ」

「知らなーい」



温かい裕太の体温が堪らなくて。



「裕太…」

「んー?」



抱き締め返すと裕太が頭を撫でてくれて。

嬉しくてギュッて胸が苦しくなる。



「会いたかった」

「んふふ、昨日は言ってくれなかったのにね」

「…ごめんね」

「いーの、顔見れば分かったから」

「え?」

「俺に会いたかったよね」



ふふふふふ、って裕太が笑ってる。



裕太の腕の中がホッとして気持ちいい。



「じゃ、抱っこしまーす」

「え?いましてるよね?」

「うん、今からスタート。はいスタート」



ってギュッと抱き締められると苦しいけど気持ち良くて負けずに抱き返す。



「あはは、苦しいね」

「ね」

「A緩めてよ」

「やだ。裕太が緩めて」

「やーだ」



少し腕が緩まったから私も緩めて裕太を見上げると
裕太の視線の先にはテレビ。



「…どしたの?」

「さすがにそろそろ置かないとと思って」

「へー…」

「でもあんまりつけてない」

「そう」



裕太が聞いてきてる様子がなんだか複雑そうだから
自分のことバレないか心配してるのかな、と思って

「あとね、演奏のDVD見る用だよ」

続けて言うけど全然聞いてなくてまた何かを見てるから
何かな、と思って視線を追ったらスマホを見てる。




「携帯、壊しちゃったの」

「えー、大丈夫?」

「大丈夫じゃない。この前撮った写真消えちゃった」

「写真?」

「…裕太がお祝いしてくれたお店での海の写真とケーキの写真」

「あぁ」



なんだ、って言うと裕太はまた私をギュッて抱き締めてから

「お仕事落ち着いたらまた行こ。ケーキは今度のAの誕生日にまた撮れるでしょ?」

優しい声で言う。



次の誕生日の約束が嬉しくて私も思い切り抱きついた。

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もち?太郎(プロフ) - shizuさん» 了解です!!無理せず頑張って下さいね!!フラグが来ても来なくてもいいお話なので楽しみにしてますっ! (2019年11月5日 21時) (レス) id: 3f59dac3ce (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - もち?太郎さん» コメントありがとうございます!フラグに答えられたらいいのですが…また得意のフラグパニックになってて他の話で立ててたやつ回収しわすれて今から書き直したくなってます(笑)回収忘れに気をつけなきゃです…。ぼちぼち更新していきます! (2019年11月5日 21時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
もち?太郎(プロフ) - 1コメ失礼しますっ。相変わらず凄い面白いです...。個人的に玉ちゃんの言葉一つがフラグに感じましたっ!!これからも頑張ってください! (2019年10月28日 9時) (レス) id: 3f59dac3ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年9月28日 4時

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