拾ってください。2

Flamingo 23 ページ43

翌朝。

一成とDVDが見れるテレビを買って
DVD売り場に行ってキスマイのDVDを選ぶ。

『Flamingo』が入ってるDVDを選んだ。



配線とテレビの設定までしてくれた一成は

「なんかあったら電話してきて」

最後は優しい顔をしてくれた。



「来月東京出張あるから顔見に来るね」

「ありがと」

「俺はねーちゃんがどういう選択してもねーちゃんの味方するから」

「…うん」

「じゃあね」



パタン、とドアが閉じて一成が帰っていって1人になる。



そんなに大きくないテレビ。

早速DVDを手に取って再生する。



その中にはものすごく綺麗なペンライトの中でキラキラの笑顔の裕太。

ソロでは真っ白の中でカッコよく踊ってる裕太。



『Flamingo』もすごく良かった。

最初がいつもと違ったたけど
ピアノが流れ始めた瞬間鳥肌が立つ。

裕太のソロもあって言われてみたら裕太の声だった。
何で気づかなかったんだろう。



アンコールではびしょびしょになって踊ってて。

とにかくみんなを魅了してた。



…やっぱり裕太すごい人じゃん。



私こんなすごい人と一緒に過ごしてたの？

なかなかの頻度で来てたけど
裕太忙しいんじゃないの？



…だからか。

忙しいのにうちには来てたってことは
うちで休んでお仕事頑張ってたってこと？



困ったところに電話が鳴る。



『裕太』

って出てる。



『どうしよう』より『声が聞きたい』が勝る。



迷わず通話をタップした、



『やほー』



いつものゆるーい裕太の声。



それを聞いた途端。

裕太が私に正体を言わないのは
私のところで休憩するからかな、って思って。



ほぼ毎日うちに来てて
他に女の人が居るとも思えないし
私のところで休憩してお仕事頑張れるなら
私は知らない方がいいんだ、って思った。



「もしもし」

『あははー、Aだ』

「そりゃ私に電話してるんだもん。私だよ」

『んふふ、そだね』



この緩い会話がいかにも裕太で。



「どうしたの？」

『ん？今日会えないからせめて声聞きたくて』



なんて言われたら本当は会いたい気持ちが抑えられなくなりそうになって。



「明日以降ならいつでも大丈夫」



嘘をそのまま貫いた。

本当は今すぐ会いたい。
でも一度言ったことを取消すのもおかしいし。



『ホントに！？明日ものすごく遅くなるけどへーき？』

「うん、鍵あるもんね」

『うんっ』



あまりに嬉しそうだから
私も嬉しくなって。



明日は裕太が喜ぶことをしよう、って思った。

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