拾ってください。

俺を拾って下さい 4 T ページ9

俺が作ったのは
前にBUSAIKUでやった
コンビニにあるもので作る料理対決で
ロバートの馬場さんが作ったやつで。

ホントは俺が作ったやつが良かったけど
俺のは材料が揃わなかったから
作れなかった。


でも
馬場さんのは1位だったし
まともに食べたのは3日前って話したら
ワタもこれがイイってゆーから作ってみた。

とろろがないからとろろそばから
とろろと海苔とかの薬味使って作ったら
残った蕎麦どーしようってなったけど。

食べ物捨てたらバチ当たるし
Aちゃん…じゃない、Aも気を遣うからと思って食べる。

今日に限って結構しっかり夕飯食べてるから
ものすごくキツかった。



案の定ケーキは入らなかった。



「あー美味しかった」

Aはものすごく満足そう。
これだけしっかり食べたなら安心だな。



でも明日以降もちゃんと食べるかな。

さっきケーキ入れるために冷蔵庫開けたら
冷蔵庫ほぼからだったし。



すごく心配になる。



「包丁使えないなら普段料理しないの？」

「するよ？少し前までコンクール出てたから作ってなかっただけだよ」

「へー」



本当にご飯作るのかな。

しかも明日はちゃんと食べるかな。



明日はお昼で仕事終わるし。

それなら。



「ねぇA」

「何？」

「明日ご飯作ってー」

「ご飯を？」

「うん、夕飯」

俺がそう言うとAがびっくりしてる。



「明日18時頃来るから何か作ってー」

「私そんなに料理得意じゃないんですけど」

「だって今日俺がご飯作ったんだからお礼に作ってくれても良くない？」



自分で言っててもめちゃくちゃなこと言ってるなーって思う。



でもこうすればAがご飯作って食べるかが分かるからそれで安心したかった。

さっきのAがあまりにボロボロに見えたから。



「あ、そうそう。借りてたスポーツドリンクととタクシー代」

少し多めに『ありがとう』って書かれたポチ袋に入れて渡すと

「ふふふ、可愛い」

そう言って笑ってるAの方が可愛い。



「明日はアイス買ってくるー」

「アイス？」

「それデザートにしてご飯食べよ」

「んーー」



まだ納得いってなさそうなA。



「じゃあさ、リクエストしたら作ってくれる？」

「作れるものなら」



なんだろう。

栄養取れて難しくなさそうなもの。



あ。

「豚汁食べたい」

「あぁ、それなら作れそう」

無理難題を言われなくてホッとしてそうなA。




これで明日も様子が見れるな。

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