拾ってください。

特別な日に 12 T ページ47

Aは
どんだけ俺を夢中にさせるの？

ケーキだけじゃなくて
キスもプレゼントにカウントしていい

なんて言われて
普通でいられなくて。



立ち膝をすると少しだけAの目線が上にあって。

Aの顔を引き寄せるように抱き締めて
夢中になって角度を変えて何回もキスをした。



深い深いキスを何回も何回も。



途中でAから「…んっ」て高い声が漏れて
さらに夢中になった。



もっと気持ち良くなって？

そんな思いでキスをする。



どのくらい経ったか分かんないけど
ようやく唇を離すと目が潤んでるA。



「…可愛い」

離れたくなくなっちゃってまだAにくっついたまま思わず呟くとAは顔を真っ赤にしてる。



「多いよ」

消えそうな声でAが言う。

「ん？」

「5個目のプレゼント」

「そう？」

半分は俺がプレゼント貰ってるみたいだけど。



「もっと欲しい？」

そう聞くとAはうんともううんとも言わない。



「はい、もっとするー」



ダメならダメって言うもんね。
ならいいよね。

勝手に決めてまたキスを始めた。



どのくらいそうしてたか分かんないけど
さすがにもう止めないと襲っちゃいそう。



そっと離れてAを見上げると
すごく色っぽい顔。



「気持ちいい？」

そう聞くと頷くA。



「もっとする？」

そう聞くと今度は首を振るから



あ、やば。
嫌われた。



と思ったら

「…おうち帰ってからでいい。気持ち良くてぼーっとしてきちゃう」

なんてAがすごく甘い声で言うから。



何それ。

おうちでしたらもっと止まらなくなるけど。



天然なAがホントに怖い。




「ケーキ食べよ？」

「そだね」

Aが言うから俺も立ち上がって
離れる前にチュッて音を立ててキスをする。



それだけでまたAの顔がトロンとしてるから
またしたくなっちゃうけど。



電気をつけて下にコーヒーを取りに行く。



「長かったね」

母さんの友達に言われる。



「ん？」

「…飲み物早く用意し過ぎて少し冷めちゃったけど」

なんてニヤニヤされちゃう。



「母さんには言わないでね、からかわれるから」

「あはははは、言わないよ」

「もー恥ずいっ」

多分俺の顔真っ赤だろーな。



上に戻るとAがケーキを携帯で写真に撮ってた。



「いちご沢山乗ってるー」

「ん、好きでしょ？」

「大好きっ」



無邪気に笑って『大好き』とか言ってるけど。




いつか俺に言ってくれたらいいな。

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