サイボーグな彼女 9

わからない？ 11 ki ページ8

Aが俺に優しくて
改めてAを誰にも譲りたくないって思う。



勝手に不安になって勝手に甘えてる俺を
何も言わずに抱き締めてくれるA。



今まで人にこんなに癒されたことなんてなかった。

Aの腕の中にいたらさっきまでのどうしようもない不安も解けていく気がする。



つーか何でこんなに優しいの？



明日も早いしそろそろ寝ようとすると



「北山さん」

「んー？」

「違ったらごめんなさい。好きな人と何かあったんですか？」


真っ直ぐな目をして聞いてきたから一瞬動揺した。



そーだよ。

でもその好きな人ってAだよ？

Aのこと考えたらどうしていいか分かんなくなってんだよ？

わからない？



でもそんなこと言えねーから

「んー、どうかな」

そう言うのが精一杯。




着替えに行こうとしたら

Aに呼び止められて振り返ると



「もう少し必要ですか？」

Aが腕を広げてる。




そーだよ。
必要だよ。

むしろAの全部とAとの未来が欲しいよ。
少しは俺のこと意識してよ。




だから俺は

「んー今はこっちの方がいいや」

ほっぺにキスをしたら
ものすごく驚いて俺を見てるA。



驚いてるAを残してバスルームに着替えに行って着替え終わって戻っても
そのままで居たから笑っちゃう。



一緒にベッドに入って今日は苦しくないように後ろから抱き締めて寝てみる。



ほっぺだけどキスしたし。

少しは気づいたかな。



「まだわからない？」

「何がですか？」

「俺の好きな人」



Aに聞いてみると

「分からないです」

冷たく答えられてさすがに凹む。



「そっかー」



まだまだかー。
俺はAを抱きしめるとそのまま寝る。





ふと目が覚めた時。

Aが俺の方を向いて寝てる。
しかも俺を抱き締めて。




だからこれで寝たら寝にくくね？
思わず笑っちゃう。



腕を解いて離れたら

「んーーっ」

首を振りながらくっついてくるA。




「やだ」

「何でだよ、苦しいだろ？」

「北山さんの方が苦しいから」



寝ぼけて言いながらAはさらにしがみつくと

「私もここがいい…」

ってAはまた寝息を立ててる。





もう何なの？

こんなの絶対離れらんねーわ。




A、
言ったからには責任取れよ？



寝てるAの顔を上に向けさせると
そのままAにキスをする。





Aが望むならもう絶対諦めねーから。

何を言われても絶対そばにいさせるからな。

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