サイボーグな彼女 9

わからない？ 10 ki ページ6

炭谷さんは
仕事がものすごく出来た。

質問のレスも早いし
イレギュラーが起きてもすぐ対応する。
追加の提案もどんどん持ってくる。



いまも喫煙所で武田ちゃんと小林ちゃんと二階堂で炭谷さんの話題。

「アイツすげーな」

普段人をめっったに褒めない武田ちゃんが褒める。

「こんなにノンストレスなやり取り久しぶりだよ」

言いながらタブレットに送られてきてる原稿をチェックしてる。



「元々Aも仕事早ぇけど炭谷さんも早ぇからものすごく助かるなー」

武田ちゃんが言うと

「へーじゃあいよいよお似合いじゃん」

二階堂が答える。

「何が？」

「Aちゃんと炭谷さん。喫煙所で一緒になった時に少し話したけど炭谷さんすげーいい人だったよ」

武田ちゃんの質問に答える二階堂。



「ミツの映画見てものすごく良かったから沢山の人に広めたくていっぱい取材取ってきたんだって」

そう言って二階堂は俺の方を向くと

「さすがにミツも炭谷さんとAちゃん応援してるっしょ？悪いとこ無くない？」

って言ってくる。



…そりゃ確かに炭谷さんに悪いとこねーけど。



「2人並んでもお似合いだしどっちも仕事出来るしテンポ感似てるし。その2人が偶然会うとか運命でしかないっしょ」

「まぁなー。つーか二階堂、この前奥さんにするならAとか言ってたじゃねーか」

二階堂に突っ込む武田ちゃんだけど
どっちかっつーと二階堂の言葉が衝撃的。



え？二階堂ってA狙いなの？



「あはは、理想がね？好きとかじゃなくて一般論の話だよ。Aちゃん仕事出来るし気が利くしいつか結婚ってなったらAちゃんみたいな人かなって」

ナイナイって笑って手を振る二階堂。



「でも、俺ら結婚も付き合うのも無理じゃん。両思いになってもその好きな人をこっちの都合でデートも結婚も出来ないとか辛いし可哀想じゃん？」

二階堂も笑いながら言ってるけどどこか寂しそう。
むしろ辛そう。



そーだよな。

俺らって何も出来ねーんだよな。



Aは炭谷さんみたいな人と幸せになった方がいいよな？





少し考えるけど。



やっぱり嫌だった。




Aに甘えたくて夜行くといつもは言ってくれない「おかえりなさい」を言ってくれて。

それだけで嬉しくなる。



頭を撫でて貰うのも好きじゃないけとAだと気持ちいい。



「ごめんな、急に」

理由を言わないで甘える俺をAは黙ってただ抱き締めてくれる。




やっぱりAを失いたくない。

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