わからない？ 9 ページ3
11月中旬。
いよいよ雑誌の撮影が始まる。
炭谷さんも基本撮影に立ち会う。
「はじめまして、炭谷です」
「北山です」
「アンケート助かりました。どの雑誌担当も喜んでます」
「ホントですか？なら良かったです」
2人とも当たり障りのない会話をしてる。
炭谷さんが一瞬撮影の方を向いた時に北山さんと目が合った。
その瞬間に北山さんが口パクで「この人？」って聞いてくる。
元カレがこの人かって意味だよね。
私が頷くと北山さんは小さく数回頷く。
「撮影は基本立ち会いますのでよろしくお願いします」
炭谷さんが言うと
「はい！こちらこそよろしくお願いします！」
アイドルスマイルをしてる北山さん。
「Aさん、出来上がったページの校正はAさんにメールでいい？」
一応皆の前では苗字呼びをしてくる炭谷さん。
「はい。CCで武田にも送って下さい」
「分かった」
でも会話自体がタメ口なのではたから見たら違和感だろう。
「撮影始めます」
「「「よろしくお願いします」」」
今日は女性誌の撮影。
まず写真を撮る。
要望にどんどん答えてる北山さん。
撮り直しが少なく順調に進んでる。
今日はあと1誌撮影した後10万円のスタジオ撮影。
早く終われそうだから余裕かな。
時計を見ながら撮影を見守ってるといつの間にか隣に炭谷さん。
「まだ気は変わらない？」
そう声を掛けてくる。
「はい」
「そっか」
即答すると肩をすくめてる。
そう言えば気になることがあった。
「炭谷さん、就職したの旅行会社でしたよね？」
「うん」
「なんでいま広告代理店なんですか？」
「んー色々あったけど。一番は旅行会社に勤めてみたらせっかくいい旅行プランがあってもそれを知らせる術がなくて『宣伝』に興味を持ったからかな」
「…そうなんですね」
「せっかくいいものあってもそれを伝える機会ないと勿体ないなって思ったのがきっかけ」
そう言って笑う。
こういう所はさすが。
変わってないなーって思う。
「…何？」
つい炭谷さんを見てたらこっちを見る。
「いえ、相変わらずだなと思って」
「惚れ直した？」
「いいえ」
「あはは」
即答する私に笑ってる。
「はい、撮影OKです！」
「一旦休憩でーす」
そんな声の中北山さんが戻ってきた。
タバコだろうな。
そう思ってタバコセットとミネラルウォーターを用意したら
「正解」
そう言ってニッと笑うと両方を持って喫煙所に向かっていった。
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咲良(プロフ) - shizuさん» 絶対(笑)まぁそういう系だと恥ずかしいですねw (2019年7月7日 21時) (
レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ﾋﾛﾒﾛﾝさん» コメントありがとうございます！キュンキュンまでが長くてクレームもいただいてたりしてますがのんびり更新しますのでまた是非読みに来て下さいませ！ (2019年7月7日 21時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ぴのさん» 仕事してて書きたくなった時の葛藤がヤバいです 笑 ほどよく頑張って更新します！ (2019年7月7日 21時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ATさん» 長かったので甘々が自分でも染みます。また是非読みに来て下さいませ！ (2019年7月7日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - risaさん» 正直コメントいただいた頃が一番ニヤニヤしながら書いてました。楽しかったですー。次の10はもう少しニヤニヤしながら書けそうです！ (2019年7月7日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年6月18日 3時
