サイボーグな彼女 8

わからない？ 7 ページ49

アンケートを終えてメールも送って
北山さんと並んで歯を磨く。



「あーもう6時だな」

時計を見て北山さんが言う。

「ですね」

「昼過ぎまで寝よーぜ」

「はい」

交代で口をゆすいで寝室に向かう。



布団を引こうとしたら北山さんは私の手を取って

「はーい、こっちー」

ベッドに連れて行かれる。



「今月の一緒に寝る権を主張しまーす」

そう言って布団をめくる北山さん。



今日は疲れた。
炭谷さんに変なこと言われたし。

正直北山さんに癒されたかった。

さっきだって北山さんに「先に寝てて下さい」って言わずに「先に寝てますか？」ってわざと聞いた。

そう言えばもしかしたら待っててくれるかも、って思ったから。


先に北山さんがベッドや布団で寝てたらそこに入るのもおかしいし
一緒のタイミングだったら同じ布団で寝れるかもって思ってしまった。



私はズルいから

「2回のうちの1回ですね？」

って確認する。

「んっ！」

満足そうに頷く北山さんに
仕方ないですね、って顔をする。



「めざまし14時かなー」

「集合16時だからご飯の時間も考えてもう少し早い方がいいですよ、週末で道混みますから」

「んーメシ作ってくれてる間に資料読みてーからやっぱ13時かな」

「それくらいですね」



一緒に起きるとか完全に恋人みたいな会話。

本当に勘違いしそうになる。



「ん」

ベッドに横になって腕を広げてる北山さん。
つい無抵抗で入ると北山さんが驚いてる。



「…珍しいな」

「そうですか？」

確かに自分からここまで寄り添ったことはない。

「さすがに疲れて抵抗する気力もねーか」

笑って言いながら抱き締めてくれるから
そういうことにして身を委ねる。



月2回ってことはあと1回か。

少し寂しいと思ってしまった自分がいる。



何様だ？



北山さんは「おやすみ」も言わずに寝息を立てている。

さすが北山さん。



自分から腕を回して北山さんにくっついたら

「んー？今日は甘えん坊さんかー？」

寝ぼけた声で北山さんが言ってる。



「いつでも甘えろって言ってんのになー」

ぽんぽん背中を叩いてくれてるけど声が完全に寝ぼけてる。




…北山さんのバカ。

こんなの居心地良すぎちゃいますよ。



北山さんが片思いじゃなくなった時
もうここに居られなくなった時

私はどうしたらいいんだろう？



こんな感情私は知らない。



嫌だ。

辛い。



涙が勝手に溢れてくる。



私は北山さんにしがみつくとそのまま眠りについた。

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