サイボーグな彼女 8

わからない？ 4 ページ43

「あー！食った！」

すき焼きを食べた後、締めの焼きうどんもしっかり食べて北山さんはご満悦。



「片付けてる間に雑誌とか少し読んでるー」

「お願いします」

私は昨日一通り目を通したので問題ない。



ソファだと眠くなっちゃうだろうからキッチンのテーブルを綺麗にすると資料を運ぶ。

「あとやるぞー」

言って雑誌とかも運んでくれる北山さん。

お言葉に甘えて自分でやってもらって
その間に私は洗い物を始める。



アンケートをめくると

「…何これすげー」

北山さんが呟く。



「何がですか？」

「同じ質問に記号入ってる」

「答え同じかなと思って」

「前にどんな先輩が載ったかもついてる」

「参考になるかなと思って」



答えながら食器を洗う。


「…さんきゅー」

優しい声で言うから思わず北山さんを見るとものすごく優しい顔で笑ってる。



この顔、さっきと一緒。

『言いたくねーならいいけど、聞いて欲しい時はいつでも聞くぞ？』って言ってくれた時の顔。



勘違いしそうになる。

北山さんは私じゃなくても優しいのに。

この笑顔向けられちゃうと
私にだけこの顔してくれればいいのにって思ってしまう。

さっき腕を広げられた時
本当は飛び込みたかった。

炭谷さんがあんなこと言うから嫌な気持ちになったのを北山さんにリセットしてもらいたくなった。



でも北山さんは私を好きな訳じゃないし
それを許されるのは北山さんが好きな人だけのはずだから。



現に炭谷さんが『いまなら一緒に過ごせる』って言っても私は嬉しいと思わなかったし
誰かと過ごすなら北山さんと一緒にいたいって思ってる自分がいる。



以前北山さんに言われたな。

仕事終わった後とか星空を見る時とか
そういう時に一緒に居たいって。

こういうことかな。
一緒なのが居心地が良すぎる。



本当に北山さん離れしないとダメだな。




「確かに初めての雑誌はこーゆーのあると答えやすいなー。これマジすげー」

北山さんがアンケートをめくりながら雑誌を手に取って言った言葉で我に返る。



食器を洗うと北山さんの隣でアンケートを入力し始めた。

途中お風呂休憩を取ると
北山さんが私にプレゼントしてくれたルームウェアとお揃いのルームウェアを着てる。

「似合う？」

北山さんは腕を広げてドヤ顔してるけど
そういうのは彼女さんとやって頂いた方がいいと思いますが。



でもお風呂上がりに私がお揃いのルームウェアを着て戻ると北山さんは満足そうに笑った。

わからない？ 4 ki→←わからない？ 3 ki

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す