サイボーグな彼女 8

そうじゃなくて 26 ki ページ32

Aが優しい。

むしろ俺に甘い。



甘えて後ろからくっついても嫌がらないし
クリスマスプレゼント交換しようって言ってもいいって言うし。



「おいで」

ベッドの中から腕を広げたら
少しためらいながらも入ってくれる。



「…ありがと」

言って抱き締めるとされるがままになってるA。



もっと甘えていい？



「ねーA」

「何ですか？」

Aの声も何処と無く甘い気がするのは気のせい？



「たまにでいいからさー、ここに居させてくれない？」

Aの髪を撫でながら聞く。



ものすごく緊張する。

賭けだった。
いいって言ってくれるか分からないから。

普通に考えたらダメだろうし。

でももう久しぶりに味わえたこの感触。
もう手放せない。



「…たまにってどれくらいですか？」

何だか声が緊張してるA。
即ダメって言わないとこを見ると望みありなの？

「んーー、月1から2かな」

「多くないですか？」

「ンなことねーよ妥協してこの回数だっつの」

なんなら毎日こーやって寝たいんだってば。



「なぁーお願いーー」

言いながら揺すると

「……」

されるがままのA。




ダメかなー。

無理かなー。


少し待ってみると



「私でいいんですか？」

ものすごく小さい声。

「Aがいーの」

頬ずりする。



つーか
これで俺の気持ちバレてないって逆に何？



Aのほっぺが気持ちいい。

そして相変わらずされるがままのA。



「…回数決めるのもおかしいですけど」

少ししてAが言う。



「北山さんがそれで頑張れるなら」

「…マジで？」

Aの顔をのぞき込むと少しだけ目が優しい。



ホントにホントか？

「やっぱやーめた、とかナシだぜ？」

「ないですよ何ですかその言い方」

不満そうなA。



「絶対だからな？」

「はい」

「月2までな？」

「はい」

俺が聞いても淡々と答えてるA。
やったー！慎重に使おっと。



「片思いの人とうまくいくまでですからね？」



そう言うA。




…つーか。

片思いの人とうまくいく時って。

それってAとうまくいった時でむしろ回数増えるんだけどな？



「…おぅ」

俺が頷くと少し困った顔のAは

「それで北山さんが元気になるなら」

「なるなる！超ーなるから！！」

食い気味で俺が答えると笑っちゃってる。



「………わかりました」

笑いながら答えるAが可愛い過ぎて。



またAを抱き締めたのが最後の記憶。

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