そうじゃなくて 20 ページ19
「…じゃあ何?」
北山さんが怒った顔で聞いてくる。
「それなりに納得のいく理由だろーな?」
しかもさっき勢いでタメ口聞いちゃったけど。
タメ口しちゃったことはもう仕方ない。
とりあえず説明しなきゃ。
「犯人がモデルさんのファンなのは話したと思いますけど」
「おぉ、そう聞いたな」
「私は上着を取りに控え室に来てて、犯人はそのモデルさんの私物を狙ったついでにこっちの控え室来たそうなんですけど」
「あぁ」
私の話に北山さんは相槌を打ちながら聞いてくれてる。
「私、その時すぐ出るつもりだったから控え室の電気つけてなくて」
「はぁっ!?」
「だから部屋が暗くて鍵が空いてたからその人入ってきたらしくて」
「………」
開いた口が塞がらない北山さん。
「だから私にも原因があったんです」
しばらく呆然としてる北山さん。
「なんでAはいつもいつも鍵かけねーわけ?」
北山さんが完全にお説教モード。
部屋の鍵をかけない癖についてまた怒られる。
「いつもいつもなわけじゃ…すぐ出るつもりだったからついそのままで」
なんて口答えしたもんだから
「その『つい』がダメだって言ってんの!」
北山さんに秒で返されてさらに怒られる。
あの時は北山さんがまた怒ったから
戻りたくなくて暗いままグダグダしちゃってたんです。
でも結局北山さんのせいじゃなくて電気つけなかったのも鍵をかけなかったのは私で。
「だから、私が悪いんです。鍵かけてなかったし電気付けずに暗いままで部屋にいて無人だと思われてたわけですから」
「…そりゃそーかもしれねーけど」
もちろんだからって入っていいわけじゃないんですけど。
「っつーかさ」
北山さんが私を見て言う。
「そもそもAは暗いままで何してたわけ?」
そう言われて言葉に詰まる。
言いにくい。
北山さんが怒ってたから顔を合わせにくかったなんて。
「言わねーと局行くぞ」
そう言って北山さんは距離を詰めてくる。
私が言葉に詰まってるのを見てしばらくして北山さんがフッて笑う。
「…分かった。俺だな」
「えっ?」
「俺がずっと怒ってばっかだったから戻りにくくなってた?」
……気づかれた。
でも私は無言で首を振る。
北山さんはそんな私を見てさらに笑う。
「ん。もう局行かねーから」
そう言って私の頭をポンって触ると
「片付け俺がやるから座ってろ」
そう言ってリビングに私を残して北山さんはキッチンに行ってしまう。
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咲良(プロフ) - shizuさん» ふふふ。書いててにやにやする気持ちわかります(鼻血たらり)やっと主人公ちゃんも気付きましたけども!!みっくんちゃんと目見てるのか..??異変に気付いてない...はよ気づけ!!←急かし あぅ...が。頑張って下さいぃ!長かったですね。確かに(笑) (2019年6月23日 13時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 甘い北山さんがもう堪らない。書いててニヤニヤするんですけどそろそろ主人公に気持ちの変化がやっと。やっっと出てきてます。長かった…。 (2019年6月23日 13時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - おーんまいがっっと!!もどかしぃいいいい脈あり反応してる自分に気づかない主人公ちゃんもみっくんに明らかに愛情表現されてるのに気づかないとこももどかしぃいいいいいでも好きですっっっっ。頑張って下さいっ(ついでにみっくんも← (2019年6月15日 12時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - shizuさん» 確かに娘になったら無理ですね(笑)私も一生パパっ子になりそう(笑)というか寝言でこのまま好きって言っちゃえぇえええって思った私をぶん殴ってください (2019年6月10日 6時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はーちゃんさん» コメントありがとうございます!鈍感なのが主人公の売り(?)なので 笑 これからもゆっくりですが更新していきますのでよろしくお願いします! (2019年6月10日 4時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2019年5月27日 21時