サイボーグな彼女 8

そうじゃなくて 17 ki ページ14

収録終わり。



帰ろうとするとタレントさんに

「北山君てさー、サウナ好きなの？」

声を掛けられる。



「すごい好きですけど」

「俺も好きでさー。この前北山君見かけたんだけど声掛けていいか分からなくて」

「えー、声掛けて下さいよー」

なんて話してるとモデルさんが入ってくる。



「一昨日私もスパなら行きました」

モデルさんが場所を言う。

「え！俺が北山さん見かけたのもそこ！」

「居ましたよー俺そこに」

どうやら偶然3人同じ場所に居たらしい。



「あはははは、偶然ですね」

「すごいですねー」

なんて盛り上がる。



「いまサウナやスパって女の人も行きやすいようになってていいですよね」

タレントさんが言う。

そーいやAがいいって言ってたとこあったな。
そこを教える。

「へー！今度嫁と行ってみます」

「ドライヤーとかも充実してるってうちのマネージャーが言ってました」



モデルさんが食いつく。

「あ！さっきのカッコイイマネージャーさんですか？」



……カッコイイ？？



「いや、カッコイイっつーかなんつーか…」

「キリッとしててカッコイイなーって思ってたんですけどっ」

俺が言葉を濁してるとモデルさんが言う。



あいつ、カッコイイか？
世間的にはそうなのか？？

よくわかんねーけど。



「自慢のマネージャーです」

「ですよね、わかります」

俺の言葉に頷いてるその子。



気がつくとメンバー誰もいなくてAだけが居る。
やべぇ、置いてかれた。

でも待っててくれてるのがAで良かった。



控え室に戻る途中、近寄ると離れるA。
壁に追いやると今度は早歩きし出す。

離れるなって言っても反対するから

「もういいだろ、今日から前までの距離解禁っ！」

そう言っても離れるから近づくと体が当たっちゃってAが顔を歪める。



やべ、腕怪我してたんだっけ。



「ごめん、痛かった？」

「大丈夫です」


って言うけど少し顔が青い。



………そんなにぶつかった？




「悪ぃ、大丈夫か？」

「大丈夫です、ホントに」

青い顔のAは控え室の前に着くとノックをして俺を避けるように入っていく。



……怪しい。

これ他にも怪我してんじゃねーか？



「Aさん、杉山さんと武田さん戻って来れないらしいので玉森さんお願い出来ますか？」

「大丈夫です」

控え室に入るなり酒井ちゃんに呼ばれてるA。
そのままミーティングし出すけど俺には違和感しかなくて。



何隠してる？

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