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それもそれでどうなのか ページ37

「…納得いかないって顔してる」


マネージャーが言う。


その通りだったから俺は何も言わなかった。


「マネージャーとしてはあの子に本気って言われたら止めないといけないんだけど」


言いながら、
テーブルの上の食べ終わった皿を重ね始める。

わかってるよ、そんなこと。

口には出さなかった。

俺も一緒に皿を重ねた。



「武田個人としては、応援したいと思ってるよ」



「…は?」



意外な意見に思わず手がとまる。

マネージャーは何も言わない。


多分二度は言ってくれないんだろうな。


そうこうしてたら携帯からLINEの通知音が鳴る。


Aちゃんだ。



『おはよう!起きてる?』


「起きてるよー」


返すとすぐ返事が来た。


『この後レンタカー屋さん行って予定通り10時頃お迎えに行きます!行きたいとこ決めといてね』


もうレンタカー屋さん行くんだ。

まだ8時30分前だぞ?
昨日2時30分に帰ってきてるのに
全然寝てないんじゃないの?


「Aちゃんから行きたいとこ決めといてって連絡来たんだけど」

マネージャーに言う。


「んーー、ロケで伊豆とかはよく行くけど逆にこの辺とかあまり行かなくない?」

「俺、熱海と清水行ってるな。伊豆はサーフィンでちょいちょい…」


結果、どこがいいとかない俺は本当に困った。

どこかじゃなくて誰とかが大事すぎて。


それでも絞り出して、

「海鮮食べたいかな」

マネージャーに言う。


すると急に動きが止まるマネージャー。

「…あ、一個興味あるとこあった」

「どこ?」

「深海魚水族館」

「…何それ」

「あるんだよ、そーゆーとこが」

「へぇー」


俺は言われた通りに伝える。


「深海魚水族館だって。あと海鮮食べたいかな。」

『了解です!それじゃ沼津に行こうー!』

車に乗った可愛いキャラクターのスタンプと共にメッセージが届く。


「沼津行こうって」

「やった、行ってみたかったんだ」


喜ぶマネージャー。



とりあえず準備するか。


「じゃ、俺一度部屋戻るわ」

「おう」


立ち上がって部屋を出ようとした時に、


「なぁ」

マネージャーが呼び止めた。


俺が振り返ると

「キツイこと言ってごめんな」

本当に申し訳ないって顔してる。


マネージャーだって言いたくなかったんだろう。


どうにもならないこと、むしろ俺より分かってくれてるんだと思う。


「頼りにしてるよ、マネージャー」


俺が笑うと、ホッとした顔をする。

それを確認して部屋を後にした。

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作者名:shizu | 作成日時:2018年10月16日 18時

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