ずるい ページ15
「アコちゃんの誕生日、お祝いしたかったもんで…ダメでした??」
「あ、いやそうじゃなくて、Aちゃん飲めないとつまらないかなーって…」
「全然大丈夫だよ?それよりアコちゃんのお祝いしたいし!」
ニコっと笑ってるAちゃん。
「いいの?芋ロック」
「大丈夫!てかそんなに飲まないし」
「え?この前すごいペースで飲んでたよね?」
「…そうだっけ?」
あ、やべ。
盗み聞きしてたのバレる。
「とりあえず、精算しよ」
マネージャーが空気を変えてくれた。
あぶねー。
「今日のお会計多めに集めといて、明日に回せばいいですよね」
「そうしよう」
Aちゃんとマネージャーがテキパキ計算してる。
「あ、そういえば武田さん敬語じゃなくなってる」
「プライベートの時間だからAちゃんも年下なんだし敬語はおかしいからって…」
「あー、アコちゃんが?」
頷くマネージャー。
「私もその方が嬉しいです」
嬉しそうなAちゃん。
…マネージャーにそんなに笑顔見せなくて良くない?
「はい、じゃあこれAちゃんの分」
「え!多いですよ」
「いいの、手配色々してくれたし」
「…でも…」
「それより、敬語」
「え?」
「俺も敬語やめたし、Aちゃんも敬語ダメ」
「…うん」
はにかんで笑ってるAちゃん。
….ずるい。
マネージャーずるいよ。
その笑顔は、俺だけに向けてくれればいいのに。
「お前は宿代含めて精算な」
「…ん」
言われた金額を渡す。
マネージャーは俺が不満そうな理由に気づいたらしく少しニヤっとした。
くそーー。
そんな中、
Aちゃんが開いていたデザインのノートを仕舞おうとしたので
「ねえ、それ見てもいい?」
って声をかけた。
「え?これ??」
ノートを少し上げる。
「うん…いいけど…見たいの?」
「見てみたい」
「どうぞ…」
おずおずとだす。
中をパラパラとめくると、
デザインとその作り方というか
色の番号やストーンの乗せ方とかが載っている。
すごい。
中に白と黒のマーブルみたいなやつに、
赤とピンクのストーンが乗ってるやつがあった。
横に「REAL ME」って書いてある。
「これって…」
「あぁ、お客様のリクエストで作ったやつです」
「…そういうことか」
「西武ドームで見てハマって、ネイルにしたいって。この前作ったら喜ばれたんだよー」
ってキラキラしてる。
…ヤバいなー、恋フィルター掛かってるかも。
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作者名:shizu | 作成日時:2018年10月16日 18時