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…こんばんは… ページ13

いよいよ静岡入り当日。

仕事終わってそのまま静岡へ。


指定されたお店に行くと、
すでにお連れ様がお見えですー
と言われる。


アコは仕事のはずだから
Aちゃんか。


予定よりだいぶ早いのに。


入ると、壁にhappy birthdayの飾り。


デザインのノートに突っ伏してるAちゃん。



「…忙しいんだね」


小声で呟いて、俺は着ていた上着をそっと掛けた。


そしたらびくっ!となって起きたAちゃん。



「あ!!うそ!!ごめんなさい!!寝てた!!」



慌てて飛び起きたから俺の上着が落ちる。


サッと取ったから、多分俺の上着掛かってたことも気付いてないだろうな。



「おはよ」

「おはようございます」


「…こんばんは…」



真っ赤なAちゃん。

強がりな「こんばんは」が、めちゃ可愛い。

俺とマネージャーは笑った。



「アコちゃんあと1時間くらいかかるみたいです」

「マジか」

「たいぴーが化粧水10本買ってくれたら今週の目標達成だって。早く帰れるわけじゃないけど買ってくれるなら電話くれって言ってた」

「買いません」

あははは、って笑うAちゃん。


やっぱりAちゃんには笑っててほしい。


「先に精算しちゃおう。プレゼントとケーキとレンタカーとここの会計と…」


マネージャーが言う。


「えっと、プレゼントがオーブントースターで、レンタカーは明日支払いなんでまだなんですけど…」

なんて言いながら財布を取り出す。


カバンからのぞくスクリーマーズのポーチ。



…嬉しいな。


「え!?これ重くなかった??」


オーブントースターのサイズに
驚くマネージャー。

たしかにデカい。


「え?あぁ、握力ないけど腕力には自信あるんです。でもこれ、アコちゃん持って帰るの大変だろーから、武田さん帰り運ぶの手伝って下さいね?」


ってニッコリ笑う。

…あー、そういう作戦ね?

俺もAちゃんにニヤっと笑った。


「私が車停めてる駐車場も近いから、最悪私が運ぶんでもいいですけど…」

「いやいや、運ぶよ!!もちろん!!」


マネージャーが慌ててる。



…ん?


「え?Aちゃん車なの?」

「あぁ、そうなんです車です。誕生日の瞬間過ごすなら終電なくなっちゃうし」

田舎ナメないで下さいよー、なんて彼女は笑う。


あー、そこまで気が回らなかったなー。

あんなに芋ロック好きなのに、飲めないなんて。

泊まる準備しとけば良かった。



…いや、そこまではやり過ぎか?

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作者名:shizu | 作成日時:2018年10月16日 18時

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