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初めての電話 ページ1

収録終えてソッコーでスマホを開く。

LINEがAちゃんから来てた。


『今日の夜か明日の夜でどう?22時以降ならいつでも大丈夫!』


時計を見ると23:00。

家に帰って24:00前だな。


『ごめん、いま終わった。今から帰ってから連絡すると24:00頃なんだけど』

送るとすぐ既読がついた。

『お仕事お疲れ様です!明日遅番なので24:00過ぎても全然大丈夫です!』


Aちゃんからの返事。


…文字打つの面倒になってきたなー。

『電話にしない?おじさんだから文字打つの大変なんだけど』


着替えたり片付けてて少し待つと返事が来る。


『おじさんなんだ!同い年なのに!笑
確かに文字打つのは大変なので電話にしましょ!うちのWi-Fi調子悪いからLINEじゃなくて電話でいいですか?番号送ります!』

と、番号が送られてきた。


電話番号をゲットしてしまった。


『家着いたら一度LINEします。俺の番号も送りますので登録しといてー!』


送ってから俺はマネージャーに皆と一緒に送ってもらうのを断って、先にタクシーで帰る。



部屋に着いてまずAちゃんにLINE。

『帰ってきました!もう少し待って』

俺は着替えて飲み物だけ淹れて、
携帯に向き直ってふと思った。


2ヶ月前に会ったのが最後で電話??


…急に緊張してきた。


近況は知ってるけどなんか急に困った。


深呼吸して、携帯を持つ。


送られてきた番号をタップした。


prrrrrrr… prrrrrrr…


コール音がホントに緊張する。

そう言えばAちゃんの着信音「REAL ME」だったな。
「REAL ME」からの俺の声ってどんな心境?
あ、でも着信音なら北山で終わるか??
ギリギリ俺食い込むか?


なんて考えてたら笑えてきて、


『もしもしっ』

Aちゃんが電話に出た時には完全に笑ってしまっていた。

『…えっ?』

「あ、ごめん、考え事してたら笑っちゃって」

『あ!何かいい案思い付いたんですか?』

「ううん、全然」

『えー…めっちゃ頼りにしてたのに』

ものすごくがっかりしてるAちゃん。


『とりあえず、お仕事お疲れ様です。遅くまで大変でしたね』

「あぁ、ありがとうございます。いま帰ってきました」

…ってLINEしたから知ってるか。
そしたら、

『おかえりなさい』

優しい口調のAちゃん。


…ヤバい。

おかえりなさいの破壊力がヤバい。

しばらく黙っちゃった。


『あれ?もしもし??』

「あぁ、ごめんごめん。色々決めなきゃね」

慌てて答えた。

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作者名:shizu | 作成日時:2018年10月16日 18時

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