そうじゃなくて 3 ki ページ36
「というわけで」
武田ちゃんが俺たち7人を前に言う。
「誰が張られてるかわかんねーから気をつけること」
Aの報告があったんだろう。
一応言っとく、みたいなテンションで言う武田ちゃん。
「プライベートだけじゃねーからな。仕事での移動も含めて、収録と控え室の間の行動も慎むこと！」
「「「はーい」」」
そんなん当たり前じゃん、みたいなリアクションのニカ千と横尾さん。
でも
「俺も怪しいかも」
なんてタマが言い出す。
「この前マンションから出たとこ写真撮られたよー」
「はぁっ！？」
緩いカミングアウトに武田ちゃんがびっくりしてる。
「でも俺誰とも居なかったしうちには誰も来ないからいいと思って言ってなかったけどー」
「…そーゆーのは一応言いなさい」
あまりの緩さに武田ちゃんも呆れてる。
「つか『うちには』ってどーゆーこと？」
「んー？」
俺が小声で聞くと意味ありげに笑うタマ。
怖っ。
それにしてもさっきからたまにAを見てるけど
アイツずーっと下向いてる。
…気にしてんだろーな。
もし仮に撮られても何も後ろめたくねーだろ。
後ろめたいのは俺の気持ちだけだっつの。
武田ちゃんの話が終わって皆が帰る。
Aが忘れ物チェックしてるから一緒にチェックしてみる。
もう俺とAしか残ってなかった。
「洗面所らへんはオッケー」
「ありがとうございます」
俺が言うとAが振り返る。
その顔がなんとも言えない顔で。
悲しそうな
寂しそうな
苦しそうな
とにかく切ない顔をしていたから。
…そんな顔すんなよ。
武田ちゃが言うにはここは控え室だしセーフだろ？
だから
「Aは何も悪くねーから」
そう言って頭を撫でる。
一瞬ものすごく緩んだような泣きそうな顔をする。
…あれ？何この顔。
でもすぐにいつもの顔に戻ると
「ありがとうございます」
そう言って頭を下げた。
「…どーした？」
俺が聞くとAは周りに誰もいないのを確認すると小声で声を掛けた。
「もうしばらくうちに来るのも、新幹線で肩貸すのも禁止になりますよね」
「えっ？うちに行ってるのも言ったの？」
「言ってないです」
首を振るA。
「でも、女性との接触禁止だし夕飯も控えた方がいいです」
「えー俺太るじゃん」
「滞在1時間とかならセーフですかね」
すごく真剣に考えてるA。
「ま、しばらくの間だろ？」
なんて軽く考えていた。
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ぴの(プロフ) - いや〜きがつくと、この話し終わっちゃうから嫌です(笑) (2019年5月26日 13時) (
レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - shizuさん» あー。第2第3の裕香さんとの会話じゃなくてふつうに主人公が自分の中で思ってる時のとこです(？)いえいえー。謝らないで下さい！フラグって作るの難しいので尊敬です！！ (2019年5月26日 13時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ぴのさん» 北山さんもですが主人公もそろそろ気付け、と自分で書いてても思います（笑） (2019年5月26日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» さすが、分かってらっしゃる。フラグ散りばめていきますよ！もし呼び捨てが裕香さんとの話の中ならビジネスマナーでもしも裕香さんとの話以外だったら見つけ次第修正します！ごめんなさい。 (2019年5月26日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - Runaさん» コメントありがとうございます。ヒヤヒヤからの甘々からのヒヤヒヤ…相変わらずたまに自分で書いててヒリヒリします（笑） (2019年5月26日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年5月10日 19時
