サイボーグな彼女 7

そうじゃなくて 1 ki ページ32

今日はラジオの最終打ち合わせで
終わったら久しぶりにAんちでメシ。

満を持して俺の誕生日の夕飯の予定だ。



昼飯もほとんど食わなかったし
この後Aんちに行くまでの間ジムに行く予定だ。



めっちゃ食うぞー！



当日のスタッフさんを紹介されて挨拶をする。

Aがメインになるから名刺交換してるのを見てたらスタッフさんの中の1人とAが知り合いだったらしい。

「え、コイツこんな自然に笑うの？」

「えー！Aさんが笑ったー！」

武田ちゃんと杉山ちゃんが驚いてる声がする。



…そんなに自然に笑ったんだ。



「あははは、Aちゃん変わってないね！」



その後スタッフさんが言って笑ってるところを見ると多分真顔に戻ったんだろーな。



挨拶が終わると俺の方を振り返るA。

俺に何か言いたそうにして目の奥が嬉しそうになってるA。



…なんかめちゃくちゃ素直じゃん。



思わず笑うとペコッと頭を下げてるから俺も頷く。



「何いまの」

他のメンバーは資料見ながら打ち合わせしてたのに
俺とAのやり取りをたまたま見てたのか横尾さんが聞いてくる。

「んー？主従関係」

「……へぇ」

俺は手元の資料をめくりながら答えると

「どっちが『主』だかね？」

なんて意味ありげに笑ってる。

……横尾さんにはバレてるかなー。
俺がAのこと好きになってるって。



終わった後車でAから話を聞くと
小学校の時の同級生らしい。


「へー、すげー偶然だな」

「ですよね」



本当にAがご機嫌で

「仲良かったのに全然連絡出来なくなってた子で」

なんて言うから

「もしかして『ずっと』を信じなくなった理由の子？」

って聞くと黙っちゃう。



……ははーん。



「な？意外と『ずっと』は続くもんだぞ？」

そう言うと

「今日何処で下ろすんでしたっけ？」

なんて話題を変えてくる。
別に『ずっと』は俺が証明するつもりだから
まぁこの話題はどっちでもいい。



「んー、渋谷っ。夜何時に行けばいい？」

「18時過ぎればいつでも大丈夫です」


返してくるA。



ようやくAんちでメシを食える。



誕生日の夕飯として用意されていたのは

たこ焼きと唐揚げとローストビーフのサラダで

薄味のスープもあった。
全部ウマかった。

そしてビール。



「最高なんですけど！！」

「…なら良かったです」

頬張りながら言うと嬉しそうに笑うA。




この時は
またこんな日々が続くと思ってた。

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