サイボーグな彼女 7

帰らない 24 ページ29

北山さんと
まさかのプレゼントかぶり。


しかもこのルームウェア。

北山さんのを買いながら見た時に
可愛いって思ったけど
高いし諦めたものと全く一緒だった。



どうしよう、本当に嬉しい。



ケーキを食べる用に紅茶を淹れてると

「笹野スペシャルの続き見ていいー？」

リビングから北山さんの声。



「どうぞ」

「おー」



私が返すと北山BOXを漁ってる北山さんは

「…あれ？こんなのあった？」

言いながらDVDのファイルを取り出す。



「それは武田さんにダビングしてもらった歌番組だけのやつです」

「へー！」

「順番バラバラで同じ歌が続かないようになってるって言ってました」

順番になってると見てて飽きるからなーとか言って自慢げに渡して下さったけど
時系列めちゃくちゃで見てると少し違和感ですけど。



北山さんはそれにすることにしたらしくデッキに入れて再生する。

少し流して早送りして

「ホントだ。なんで『キミとのキセキ』の後少クラの『祈り』なんだよ」

そう言って笑ってる。



紅茶のポットとマグカップを2つ持って戻ると

「おー、さんきゅー」

北山さんはテレビを向いたまま答えて私が座るスペースを作った。



ケーキ用のお皿とナイフを取りに行こうとしたら

「ケーキこのまま直食いしよーぜ。切るのもったいねーし」

北山さんが言ってくれる。



洗い物するもの減るしそれならそれで、とフォークだけ持って戻ると北山さんがロウソクを抜いてくれてる。



「「いただきます」」


そのケーキはチョコのケーキで一口食べると甘過ぎず本当に美味しい。



「美味しいです」

「だなー」


紅茶をマグカップにいれて渡した時にキスマイの歌じゃないイントロが流れた。
あれ？と思って画面を見るとFNS歌謡祭のコラボだった。



途端に北山さんの顔色が変わる。

「…早送りしよ」

慌ててリモコンを探してる。



「何でですか？」

「いーからっ！早送りっ！！」



すごく慌ててリモコンを探してるけど私の足元にあったからそっと隠す。



「…ないですね」

「えー！さっきまであったじゃんっ！！」



何をそんなに慌ててるんだろう？

見てみると槇原敬之さんとの「冬がはじまるよ」のコラボ。
そんなに酷かったのかな。



まだ探してる北山さんが私の足元に気づいて手を伸ばしたけど歌がはじまる。

私がリモコンを取り上げて阻止すると
半袖と長袖のシャツのプレゼントはおまじないって歌ってる。




……北山さんが真っ赤になった。

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