帰らない 20 ページ21
父が決めた人だし
私が口出す権利はない。
残りの人生
父に会う機会も少ないだろうから
父が決めた人と一緒に過ごせたらと思う。
父の結婚に反対ではない。
母と同じような顔の彼女に
ただ私が勝手に思い出して嫌な気持ちになってるだけだ。
フワフワのスカートを履いてる
初対面の女の子に
可愛いだなんて思ってなくても言うはず。
北山さんなら
勝手に嫌な気持ちになってる私を
「くだらねー」とか
「ばぁーか」って言って
笑い飛ばしてくれると思ってたんだけど。
北山さんは私の肩を抱いて頭を撫でてくれてる。
しかも
「頑張ったな」
北山さんは言う。
「え？」
何でですか？って思って
私が聞き返すと
「皆にはこの気持ち言わないて我慢して帰って来たんだろ？お兄さんにも反対って言わなかったんだろ？」
北山さんが聞いてくる。
「…兄には賛成って言ってきました」
「ん、だから皆が嫌な思いしないようにして我慢してちゃんと祝福して帰ってきたんだろ？よく頑張ったじゃん」
そう言っていつもの低い笑い声で北山さんは笑う。
いや優しすぎでしょ。
笑い飛ばしてくれると思って話したのに。
「…甘いなぁ、北山さん」
「んー？」
優しく頭をポンポンしてくれる北山さん。
「甘いよ、北山さんは」
体を預けたくなるのをギリギリ一歩踏んばる。
「あはは、俺頑張った子には甘いかもなー」
そう言ってぐいっと私を引っ張った。
北山さんにもたれる形になっちゃう。
「痛いですっ」
抗議すると
「…いま俺はAをめっちゃ甘やかしたい」
そう言って頭をわしゃわしゃしてくる。
「別に私頑張ってないですよ」
「んなわけねーだろ、頑張ったよ」
優しい声のトーンで北山さんがは言う。
「あーーー、Aめちゃくちゃ可愛い」
「……どこがですか？」
「もー何か全部。お母さんを思い出してスカート履いちゃうとこも皆のこと思って我慢しちゃうとこも」
なんて言うからやっぱり泣いちゃって。
「……ほら、やっぱり今も甘えるの我慢してただろ？」
そう言って私の涙を指で拭って私の顔みて少し笑って優しい顔をすると、手を伸ばしてティッシュを掴む。
そして北山さんは少し強めに目元を拭くと
「目元のメイク変えたってのも嘘だな」
そう言って優しく笑った。
「…え？」
「寝不足だろ。目の下にこんなクマつけてー」
…確かに今日は少し薄暗くても分かる程度ついてる。
特に昨日は全然寝れてなかったから。
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ぴの(プロフ) - いや〜きがつくと、この話し終わっちゃうから嫌です(笑) (2019年5月26日 13時) (
レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - shizuさん» あー。第2第3の裕香さんとの会話じゃなくてふつうに主人公が自分の中で思ってる時のとこです(？)いえいえー。謝らないで下さい！フラグって作るの難しいので尊敬です！！ (2019年5月26日 13時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ぴのさん» 北山さんもですが主人公もそろそろ気付け、と自分で書いてても思います（笑） (2019年5月26日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» さすが、分かってらっしゃる。フラグ散りばめていきますよ！もし呼び捨てが裕香さんとの話の中ならビジネスマナーでもしも裕香さんとの話以外だったら見つけ次第修正します！ごめんなさい。 (2019年5月26日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - Runaさん» コメントありがとうございます。ヒヤヒヤからの甘々からのヒヤヒヤ…相変わらずたまに自分で書いててヒリヒリします（笑） (2019年5月26日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年5月10日 19時
