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期間限定。 M 6 ページ49

「Aさんにとって、
やっぱり俺ってすぐ居なくなる人ってイメージ?」

「はい」

宮田係長の言葉に素直に頷く。



そしたら宮田係長は

「すごく寂しいこと言うなー、せっかく一緒に仕事することできてるのに」

って笑う。



ものすごく腹が立った。
その軽い発言に。

絶対3年で居なくなるのに。
私たちはいつだってあなたたちが作るだけ作った仕事や制度を残される立場なのに。




「…だってそうじゃないですか」

「え?」

「来て会社をめちゃくちゃにして居なくなりますよね」



一度私に入った言葉のスイッチが溢れる。



「3年間だけうちに居て、何かしら業績残せば出世して悪いことしたら降格して。定年間際だったら試しに来て合いそうだったら長居して。宮田係長にとってもそういう存在ですよね?うちの会社って」



私が言うと宮田係長は
今まで見たことない辛そうな顔をする。



…言い過ぎだ。

でも言い出した言葉は取り消せない。



「ごめんなさい。気にかけて下さったのに。私、帰ります」

そう言って財布からお金を出して帰ろうとしたら

「待って!!」

宮田係長に手を掴まれる。



その手が課長に掴まれた手と同じだったから
ついバッ、て振り払っちゃう。



「…あ…」

また宮田係長が悲しそうな顔をしてる。



「あの、ごめんなさい。本当に」

重ね重ね酷いことしちゃった。



「……ううん、俺が悪いから。ゴメンね」

そう言って宮田係長は笑ってるけど
いつもと違う悲しそうな顔をしてる。



もうダメだ。
ここには居られない。



「私、帰りま…」

「Aさん、お腹空いてる?」

私の言葉を遮るように言う宮田係長。



…お腹ですか?



「…えっと、はい」

「良かったー。俺適当に頼んだからこんなに沢山食べきれないんだよね」

そう言ってテーブルのお肉達を手で示す。



まだ全然食べてないし
2人で食べる予定だったから
確かに1人じゃ食べきれないだろうけど。



「いいんですか?」

私ものすごく酷いこと言ってますけど。

「もちろんっ」

そう言って宮田係長は笑ってる。



…変わってますね。



「じゃあ…」

「うん!」

おずおずと座る私に宮田係長はニコニコしてる。




お腹いっぱい食べた後
お会計はトイレに行くフリして宮田係長がスマートに支払ってくれていた。



帰りに駅まで送ってくれる時

「今日は付き合ってくれてありがとう」

ニコッて笑って全く私を咎めない宮田係長。




本当に私は酷いことをした。

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shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます!私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします! (2019年4月10日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年4月1日 8時

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