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期間限定。 M 4 ページ47

どうしよう。
気持ち悪い。

その足でトイレに行くと手を何度も洗った。



手が真っ赤になるまで洗った。



あまり席を外してるとおかしいから
急いで戻ると
隣の席には居ないはずの宮田係長がいた。



「出張の日、間違えちゃった」



そう笑う宮田係長の顔を見た瞬間
私の涙腺が崩壊する。



多分宮田係長にしか見えてない。



「え!?Aさん?」

なんでもないです、って意味を込めて私は首を振ると

「資料室行ってきます」

出来るだけ泣いてるのがわからない声で言う。



資料室って言ったから資料室に行ったら
宮田係長が来ちゃう。

私は行先を倉庫に変えると大きく深呼吸する。



ダメだ。
顔を見た途端安心するとか気が抜けちゃってる証拠だ。
最近宮田係長に守られてたことを改めて自覚する。



涙を拭ってストレッチしてから深呼吸をして出口に向かうと
コンコン、ってノックの音がして入ってきたのは宮田係長。



「やっと見つけた」

そう言って宮田係長はニコッて笑う。



「どうしたの?さっき」

「どうもしないですよ」

「…そんなはずないよね?そんなに真っ赤な目をして」



近づいてくる宮田係長に
宮田係長とは全然違うのに課長の姿がダブって思わず体ごと引いて後ずさりしちゃう。



「あ、ゴメンね。いまダメだよね」

宮田係長はお見通しって顔をしてる。



大丈夫です。
そう言いたいけど何ならいまこの空間に宮田係長というか男性と2人なのも息苦しくなってくる。



「今日、ご飯行こうか」

宮田係長はそう言って笑うとドアを開けてくれる。



いまこの空間が辛いのも気付いてるんだ。

すごいな、宮田係長。



「お茶でもいいけど、ワイワイしてるところの方がいいでしょ?そんな顔をしてる理由、ちゃんと聞かせて?」



私が嫌なことは全部察してくれて
決して命令口調じゃない言い方に何だか落ち着いて
自然と頷くことが出来た。



「他に誰か居た方がいい?女の子とか」

そう聞かれたけど特に居なかったから

「…特に誰も居なくていいです」

首を振って答える。



「よしっ!じゃあ今日は早く終わろうね」

そう言って『早く戻っておいで』とも何も言わずに宮田係長は先に戻る。



少ししてファイルとかを持って戻ると
宮田係長は私と話をしたこととか全く感じさせない雰囲気。



課長はこちらをチラチラ見てるけど
私はもう気にしないことにした。

多分そんな私にイライラしてるのか
ため息が多い課長。



…怖くて少し手が震えた。

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shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます!私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします! (2019年4月10日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年4月1日 8時

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