お隣りさん S 8 ページ33
次の日。
物音がする度に起きちゃって。
連絡来るかな、とか
もう帰ったのかな、とか
もしかして何かあって俺のとこ来てくれるかな、とか
物音がする度に起きたり
ずーっと気にしてたらほぼ寝れずに朝を迎えた。
結局Aから連絡はなかった。
会社に着くとガヤさんが
「どしたの？」
俺の顔を見るなり言う。
「ものすごく疲れた顔してない？」
「え？そうですか？」
ガヤさんが言うけど
リアクションもうまく出来なくて。
「どーした？なんかあったの？」
ガヤさんに優しい顔でそう聞かれたら泣きそうになってガヤさんが慌ててる。
「ちょっと待て健永！ここで泣くなよ！俺が泣かせたみたいじゃん」
笑いながら別室を用意してくれる。
そして俺の話を一通り聞いたガヤさんは
「ほーーらだから言っただろ？後悔するって」
そう言って笑う。
「元カレに会ったら元カレんとこ行っちゃうじゃん。優しいお隣さんだとお友達止まりになっちゃうだろ？『元カレなんて忘れて俺んとこ来いよ』で良かったじゃん」
「でも…」
「でも何だよ」
「元カレとのこと整理しないで俺のとこ来てAに後悔して欲しくなかったんです。Aが本当に好きだから」
そう言ったらガヤさんは目を丸くした後
ものすごく優しい目になって
「健永は優しいな」
クシャって頭を撫でてくれる。
そこで始業5分前の予鈴が鳴ったから
「しんどいかもしれないけど社会人なんだから仕事は頑張れ。終わったら今日はうちに帰って寝ろ。そんで明日以降いつでも好きな時に飲みに行こーな」
肩をポンってしてガヤさんが言う。
「はい」
気合いを入れて仕事に向き合う。
仕事を終えて帰ってしばらくするとチャイムが鳴る。
玄関を開けるとAが居た。
「こんばんは」
そう言って顔を上げるAの目は腫れてて。
「…どうしたの？」
結果を聞くのが怖くて少し声が震える。
Aは顔を真っ赤にして
まっすぐ俺を見て目を潤ませてる。
……言い難いことなのかな。
ってことは元カレと元に戻れたのかな。
半年間の恋。
長いようで短い。
「あのね、私…」
Aが口を開いた時に段ボールを持った昨日の彼が通る。
俺もAも元カレも時間が止まった。
「また来るね」
そう言ってAはドアの向こうに消えた。
でももう来ることはないかな。
そう思いながらドアに鍵をかけた。
言えずに終わったAへの想いを
封印するように。
-END-
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shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます！私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします！ (2019年4月10日 5時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2019年4月1日 8時
