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お隣りさん S 5 ページ30

そうか。

分かった。



元カレがまだAちゃんの中にいるからご飯いいって言って貰えなかったんだ。



「1度会って話したら?」

「え?」

「家を出て来た時に会って話したの?」

「…してない。家に居ない時に戻って置き手紙して出てきたの」

首を振るAちゃん。



ほらやっぱり。



「それって一方的にAちゃんが出てったから話出来てなくてモヤっとしてるんじゃない?」

Aちゃんは反論しない。
むしろ図星って顔をしてる。



「Aちゃんは行先を元カレさんに伝えて来たの?」

「…親と友達少しにしか言ってない。会社の人にも言ってない」

ふるふる首を振りながらAちゃんが言う。



「ほら、それって元カレさんがAちゃんを頑張って探しに来たってことだよ」

「そうかな」

「そうでしょ」

俺が言うと泣きそうな顔になってるAちゃん。



「…とりあえず話してきたら?」

「うん」

「ここで待ってるから、終わったら話聞くよ」

「分かった」

Aちゃんが意を決して玄関に向かった。



部屋を出ると、Aちゃんが俺を振り返る。



「…もう居ないみたい」

「えっ?」

俺も玄関を出るとAちゃんの家の前には誰も居ない。




「連絡してみたら?」

「…連絡先、もう消しちゃった」

Aちゃんが言う。

そりゃそうか。
連絡先知ってたら探しには来ないか。



「また来るんじゃないかな」

「…そうかな」

「その時にちゃんと話してみたらいいよ。もし怖かったりしたら呼んでくれたら俺も行くし」

「えっ?」

言ってから「あ、出しゃばり過ぎたかな」って思ったけど。



Aちゃんは嫌がることなく

「ありがとう」

っていつもの笑顔を見せてくれる。




「健永くん、何でこんなに優しいの?」

真っ直ぐな目で見られて俺も答えに困った。




Aちゃんにカッコイイとこ見せたいから?

頼れる男に見せたいから?



……違う。



でも

「お隣さん同士助け合わないとね」

俺が言うと

「ありがとう、健永くんっ」

いつもの笑顔を見せてくれる。



この笑顔を見たかったから。




そう、

俺はAちゃんが好きなんだ。



元カレとのことを決着つけてもらって
俺のところに来てほしい。



だから今は優しいお隣さんになることを選んだ。




ガヤさんに報告したら

「健永、お前多分後悔するぞ」

そう言われたけど。



この時はその意味が分からなかった。

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shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます!私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします! (2019年4月10日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年4月1日 8時

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