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ヤマアラシな彼 2 -side2- 5 ページ18

半年猶予をもらった俺は
とにかくAさんに好かれようと必死になった。


次の日朝、
Aさんが嫌がるだろうから皆に見られる前に挨拶しようとして向かう。



「おはようございまーす」

ニコッて笑って言うと

「…おはようございます」

ものすごく済ました顔で挨拶してるAさん。




「ね、挨拶したでしょ?」

「そうですね」

硬い口調のAさん。
あ、会社モードか。



「でも継続して頂けるとは思っておりませんので」

ものすごく丁寧な口調で言われる。
昨日とは大違い。



継続しないだろうを裏切るためにも俺は毎朝挨拶に行く。

そして会社から提出依頼がある家族調書の更新や研修アンケートとか総務に提出する書類は一番にAさんに提出する。

メールで送らないで紙で出して敢えてAさんに絡む機会を増やす。




そしてAさんが導入したビジネスLINEに

『今日飲みに行きませんか?』

って個別でメッセージを送ったらAさんが血相を変えて飛んでくる。



「管理画面で見ようとしたらメッセージ見れちゃうから今すぐ消して」

集中ブースで周りに人がいないからオフの口調なAさん。

しかも少し低い声。
これが怒った時の声なのかな。



「えー、じゃあAさんの個人のLINE教えて?」

「必要ないでしょ?」

「じゃあビジネスLINE使うしかないよね」

ニコッて笑って俺が言うと渋々アカウントを教えてくれる。




改めて

『今日飲みに行きませんか?』

送ると

『行きません』

って返ってくる。



その日ミツさんと一緒にお昼を食べることになったからその事を愚痴ったら

「アハハハ、二階堂もしかしてAにマジなの?」

「マジです」

真剣に言うとミツさんの顔色が変わる。



「……へぇー」

あまり見ないミツさんのオトコの顔。
そして、



「例え二階堂でもアイツ泣かせたら許さねーけど」


ものすごく真剣な顔。



「…なんてな」


って結局ミツさんはふざけたけど。

多分今のがミツさんの本心なのは見てれば分かる。




「俺を選んでくれたら、泣かさないです」


俺が真剣に答えるとミツさんはものすごく嬉しそうに笑ってくれた。




「じゃー、お兄さんも少し協力しちゃおっかな」

なんて言ってくれる。





「多分飲みに行かないのはワンちゃんが心配だからなんだよな」

「へー」

「だから当日の飲みは大抵付き合えない」

ミツさんもAさんとの飲みは事前に決めて行くらしい。



…いいこと考えた。

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shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます!私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします! (2019年4月10日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年4月1日 8時

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