この想いの結末は 8

after 月が綺麗ですね 12 ページ47

「ねぇ、太輔」

言いながらAが
ギュッて俺の腕に手を絡ませる。



「ん？」

「太輔は私のこといつから好きだった？」

聞きながらAが俯いちゃってる。



……いつから？



「…いつだっけ」

「そんな感じ？」



なんてAが少し不満そうに言うから

「じゃあ逆にAはいつ？」

不満そうに返す。



言うからにはAは分かってるんでしょ？



そしたらAは

「私が自覚したのはアコちゃんの誕生日のケーキを決める時かな」

って言って振り返って俺を見上げる。



Aはちゃんといつって覚えてるんだ。

…そういえばその時に1度連絡くれなくなってたもんな。



「あの時ホントは『太輔は友達』って言い聞かせるのに時間が必要で連絡しなくなってたの」

「……そうなんだ」



そんな前から好きでいてくれてたんだ。

嬉しくてにやけるのを見られたくなくてAの首元に顔を隠してギュッと抱き締めた。



「で？それとさっきの悲しそうな顔はどう関係あるの？」

ほっぺをAにくっつける。
Aが少しくすぐったそうにしてる。

けどほっぺをすりすりしてくれながら言う。



「…あのね」

「うん」

「初めて2人でドライブした時にLINEで『月が綺麗』って言ってくれたでしょ？」

「……ん？」



…確かに言った。

あれ？



「さっき中秋の名月のことテレビでやってて『月が綺麗ですね』って『ILoveYou』の訳だってやってて、私…」

「そう！その時っ！！」


顔を上げてつい大きな声を出しちゃってAがびっくりしてる。



そうだ！！
その時だよ！！！

Aのこと好きって自覚したの！！！



「……忘れてたの？」

完全に疑った目でAが俺を見てる。



…若干それはあったけど。



「だって気づいたらずっと好きだったんだもんAのこと」

そう言ってさらに抱き締めたら

「…忘れてたのを誤魔化そうとしてる？」

完全にAが疑ってて
声が低くなってる。



「咄嗟に言われて出てこなかっただけ」

「…忘れてたんじゃん」

「でもその時だよ、Aが好きって気づいたの」



そう言ってゆるく抱き締める。



「2人で居る時に月を見てたらすごい綺麗だったのに1人で見てたらそうでも無くてさ。2人だったからキレイだって気づいたら送っちゃったんだよね『月が綺麗ですね。』って」



そうそう、そうだったなー。

たった1年前なのになんだか懐かしい。

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