この想いの結末は 8

after 月が綺麗ですね 10 ページ45

Aside



「今日は月がキレイだね」

確かに太輔はそう言った。



『今日は』って。



…てことはあの時の「月が綺麗ですね。」に意味なんて無かったんだよね。

勝手に浮かれて恥ずかしい。

何だか泣きそうになった。



「A？」

太輔がそんな私にびっくりして声を掛けてくる。



「あ、ごめん。ボーッとしちゃった！」

そう言って明るく言って顔を見上げたけど太輔が真剣な顔をしてて。



「さすがに無理してるって分かるけど？」

そう言って近づいてくる。



「………」

なんて言おう？

大したことじゃないよ。


たださっきの言葉に意味があるのかないのかの話であって。



半泣きな私に
太輔が私のほっぺに手を添えて引っ張ってる。



「久しぶりだね、この感じ」



優しい声で私が言いやすいようにしてくれてる。



「うん」

出会って数回の時に太輔はずっとコレしてたね。



思い出して笑っちゃうと

「良かった」

太輔が笑ってて。



「え？」

「悪い話じゃなさそうだから」

って安心した顔をしてるから。



不安にさせてたんだ。
ごめんね。

「………うん」

申し訳ないのと恥ずかしくて顔を隠したかったから
太輔に抱きつく。



「どしたの？」

やっぱり優しい声の太輔。
頭を撫でてくれて気持ち良くてホッとする。



「あのね…」

切り出した時に

「お取り込み中すいませーーん」

アコちゃんの声。



「あのー、私共ラブラブ過ぎて先に失礼させていただこうかと思うのですが…」

振り返るとアコちゃんと武田さんがこちらを見てる。



「はーい、お疲れ様でーす」「ダメーっ！！」



慌てて離れようとする私を太輔が離さなくて。



「アイス！アイス一緒に食べたいっ！！」

「置いていきますけどー」

じたばたする私にアコちゃんはニヤニヤしてて

「うん、それでいいよ」

太輔は面白がって私を離さなくて

「ダメッ！」

「あははははっ！」

抗議する私にものすごく楽しそうに太輔が笑ってる。




結局アイスを4人で食べながらお茶をする事に。




「Aちゃんの淹れる緑茶めちゃ美味しい！」

「だな」



アコちゃんと武田さんが感動してくれる。



「でしょー？これは自信あるんだ」

私も自慢が止まらない。

「甘いアイスに合うよね」

武田さんも言ってくれるけど。



話が途中のままで少し太輔は不機嫌。



「トイレ行ってくるー」

って席を外しちゃって

「大人気ないっ」

てアコちゃんが怒る。

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