この想いの結末は 8

可愛いすぎて ページ9

しばらく抱き合った後。
Aが車を停めて俺の車にやって来る。

「ギリギリまで隣に居て」

俺が言うといつもは抵抗するのに今日はすんなり助手席に来る。



「ありがとう」

声をかけると首を振るA。
顔が泣き疲れた顔をしてる。



「何か飲む？」

「…まだお茶あるから平気」

「じゃあとりあえず向かうな」

頭をポンポンってして車を発車させた。



信号待ちのタイミングでAの手を握る。
すごく久しぶりのAの手の感触。

触ってるとホッとする。



「あー、Aだ」

「え？」

「Aの手が久しぶりで」

恋人繋ぎをして手をぎゅっと握る。

「…そうだね」

Aがやっと笑って握り返してくれた。



「私も太輔の手、ホッとする」

Aが言って柔らかく笑う。



また同じだ。

嬉しくてニヤけるのを必死で堪える。

なのにAが

「しかも今日は太輔の家に1人で行かなくていいんだもんね」

なんてめちゃくちゃ可愛いこと言うから、グイッてAを引き寄せて少し深めのキスをする。
Aから声が漏れる。



信号が変わったから唇を離して車を走らせると、

「もー太輔やめて」

涙目でAがこっちを見てる。

「こっちのセリフだよ。運転してるのに可愛いこと言わないで」

俺が言うと黙っちゃうA。




「ねえ」

「何デスか？」

俺が声を掛けると真っ赤なままのA。
少しカタコトになってる。
笑っちゃう。

「うちに着くまで沢山話しよ」

「うん」

「一緒にお風呂も入ろ」

「えっ！？…まぁ、うん」

「髪の乾かし合いもしよ」

「うん」

「…一緒に寝よ」

「…うん」



次の信号待ちになった瞬間Aは助手席から身を乗り出して俺の肩に頭を乗せて甘える。
俺もAの頭に頬を寄せた。



「何から話そっか」

「…なんでもいい」

「ん？」

「太輔の声をずっと聞いてたい」

言いながらまた泣きそうになってるA。



「ん、分かった。沢山話しよ」

俺が言うと

「うん」

頷くA。




「そしたら声いっぱい聞けるもんな」

「うん」

「でも俺もAの声聞きたいけど？」

「…それは我慢して」

「えーー」

俺が不満そうな声を出すと笑ってるA。




信号が青になってまた離れる。

「何から話す？」

俺が聞くと

「んー太輔がサトシに電話で何を言ったか聞きたい」

ものすごく笑顔でAが聞く。

…それから話すの？



会えなかった時間を埋めるように家に着くまでお互いずっと話していた。

もう大丈夫→←離れたくないよ

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