サイボーグな彼女

出会い 3 ページ9

資料を貰った次の日。

山本さんが休みをくれたので朝から、いやむしろ前の日の夜からキスマイを見まくった。



同じ事務所なんだからシングルやアルバムのリード曲くらいは知ってたけど、
曲を聞きながら、気に入った曲には印つけたりする。



キスブサダイジェスト見てると、笹野さんが北山さんのことを大好きだったのが分かる。

北山さんのいい所だけを編集した、なんだか愛の詰まったDVDだった。

私が見たことがある「この展開なくない？」って思ったのはきちんと外してあって、
いい所だけ編集してる。

ゲストさんへのコメントもいいやつだけ残ってた。



…笹野さんは、ホントは辞めたくなかったんだろうな。
笹野さんの分もしっかりサポートしないと。



改めて決意する。




ライブのDVDに差し掛かると、あれ？って思った。

このツアーに
サポートで参加したことあるな。



遠くで曲聞いた事あるな、って思いながら見てみる。

ライブDVD見てると、やっぱうちの事務所の子達はすごいな、って思う。

そして、この人たちを支えるってすごい大仕事じゃない？って思った。

…これはエラいことになったな、と自覚する。





翌朝出勤すると、山本さんがニコニコしてる。

「おぉー、あの量見終わったか？」

「…まだ半分です」

さすがに疲れた。
休みの意味、まるでない。



「今日、キスマイ聴きながら仕事していいですか？？」

「イヤホンしながらならいいよ」

「ありがとうございます」



私は許可を貰うとガンガン伝票や請求書を処理していく。



キスマイを聴きながらノリノリで仕事する。
伝票もいつもより早く処理出来た気がする。


気がついたら午後で、ふと顔を上げると山本さんがこちらを見てる。



「どーだ？キスマイ好きになれそうか？」

イヤホンを片方外しながら、

「好きだからこそプレッシャーがハンパないと思いました。この人たちをサポートするって私に務まるのかな、って」

山本さんにだから正直に答えた。



「北山はどう？」

「笹野さんの愛が凄すぎて同じ熱量で支えられるか心配ですけど、この人を支えたいです。ソロ曲とかすごく良くて。泣きそうになりました」

「へー、以外」

山本さんが驚いてる。



「惚れちゃった？」

「それは無いです」

「えー、いい男じゃん北山」



男の人は
やっぱ苦手。



昨日の笑ってるのも私をからかってる訳じゃないだろうけど
ああやって笑ってるの見ると
昔からかわれたのを思い出してお腹痛くなる。

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