サイボーグな彼女

マネージャー開始 6 ページ26

そうこうしてたら料理が運ばれてくる。

オススメの砂肝とハツもやって来た。



「食べてみてよー」

北山さんが言うから、元々大好きなハツに手を伸ばす。
1個口に入れてみた。



「…おいしい」

「だろーー？」

ニッて笑う北山さん。



ものすごくいいハツの弾力と口いっぱいに広がる味。
ジューシーだし、臭みも全くない。




「ね、ね、ね、砂肝も食ってよ」

北山さんはものすごく嬉しそうな顔をしてる。
何でだろ。

不思議に思いながら食べると、やっぱり美味しい。
歯応えも最高。

「美味しいでしょ？」

北山さんが笑ってるからコクコク頷く。



これはキングオブハツと砂肝だよ。
歴代食べたハツと砂肝の中で1番美味しい。




「美味しいと思うもの一緒だと嬉しいね」

北山さんがニコニコしながら可愛いこと言ってる。

「はい」

私も頷くと
ふふふー、って北山さんは嬉しそうに笑ってる。



本当に嬉しそうな顔。

あー、こーゆーとこが
笹野さんのオススメポイントなんだな。



なんか分かってきた。



思えば
まともに北山さんと話すのって久しぶり。

一問一答以来かも。



逆に聞いてみようかな。


「北山さんは、私がマネージャーでやりにくいところありますか？」

「ええっ！？」

私が聞くと驚いてる。



でも、腕を組んで少し上を向いて考えて

「そーだなぁー。今んとこ、やりにくいところはないけど」

言ってから少し寂しそうに笑って

「もう少し、心開いてくれたらなーって思うくらいかな」

って言う。




あぁ。

私のこの態度が困らせてるんだ。




「あ、ゴメン、ダメとかじゃないんだけど！！」

北山さんが慌てて言う。



けどこれ絶対気を遣わせるやつだ。




北山さんは
こんなに私に気を遣ってるのに。

優しいのに。

アイドルがマネージャーに気を遣うとか、絶対ダメなやつだよ。




「…ごめんなさい、どうしてもすぐに慣れなくて…」




ヤバい。

泣きそうだ。

だけど
泣いたら北山さんもっと困るし。

言葉にしたらいよいよ泣きそうだから下向くことしか出来なかった。




「よし、分かった」




北山さんがポンッ！と手を打つ。
びっくりして思わず顔を上げた。

「そもそも、俺らタメじゃん。距離縮めるために敬語辞めよ」

「え、無理です」

秒で断ったらズコってなる北山さん。




「何でだよ！」

私があまりに即答だったから笑っちゃってる。

「タレントとマネージャーがタメ語で話すとかダメですよ」



普通ないでしょ！

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